セキュリティ

SECURITY

公開：2025-04-24

【CVE-2025-30703】MySQLサーバー8.0.0-9.2.0に脆弱性、高権限攻撃者によるデータ改ざんのリスクが判明

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• MySQLサーバー製品に脆弱性が発見
• 影響を受けるバージョンは8.0.0から9.2.0まで
• 高権限の攻撃者によりデータ改ざんの可能性

MySQLサーバー8.0.0-9.2.0における脆弱性

Oracleは2025年4月15日、MySQLサーバー製品のInnoDBコンポーネントに影響する脆弱性を公開した。この脆弱性は8.0.0から8.0.41、8.4.0から8.4.4、9.0.0から9.2.0のバージョンに影響を与えることが判明している。高権限を持つ攻撃者がネットワークを介して不正アクセスを行う可能性があるのだ。^[1]

この脆弱性が悪用された場合、MySQLサーバーのアクセス可能なデータに対して不正な更新、挿入、削除が行われる可能性がある。CVSS 3.1のベーススコアは2.7であり、完全性への影響が懸念される。CVSSベクターはAV:N/AC:L/PR:H/UI:N/S:U/C:N/I:L/A:Nとなっている。

Oracleのセキュリティアドバイザリーによると、この脆弱性は容易に攻撃可能であることが指摘されている。CISAのAuthorized Data Publishersによる評価では、技術的な影響は部分的であり、自動化された攻撃の可能性は低いとされている。この脆弱性はCWE-863（不適切な認可）に分類されている。

MySQLサーバーの脆弱性詳細

不適切な認可について

不適切な認可とは、システムがユーザーの権限を適切に検証せずに特定の操作やリソースへのアクセスを許可してしまう脆弱性のことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

• アクセス制御の検証が不十分または欠如
• 権限昇格による不正なリソースアクセスの可能性
• データの整合性や機密性への潜在的な脅威

MySQLサーバーの脆弱性では、高権限を持つ攻撃者が複数のプロトコルを介してデータベースに不正アクセスする可能性がある。この脆弱性は特にデータの更新、挿入、削除操作に影響を与え、データベースの整合性を損なう可能性があるため、早急な対応が必要となる。

MySQLサーバーの脆弱性に関する考察

今回の脆弱性は低いCVSSスコアを示しているものの、高権限を持つ攻撃者による悪用の可能性があることから、運用環境への影響を慎重に評価する必要がある。特にデータベースの整合性が損なわれる可能性があることから、バックアップ体制の強化とアクセスログの監視強化が重要な対策となるだろう。

将来的な課題として、権限管理システムの更なる強化とセキュリティ監査の定期的な実施が挙げられる。特にマルチプロトコル環境での認証システムの改善と、きめ細かなアクセス制御の実装が必要となるだろう。バージョン管理の徹底と迅速なパッチ適用の体制作りも重要な検討事項となる。

今後はゼロトラストセキュリティの考え方を取り入れ、データベースへのアクセスに対してより厳密な認証と認可の仕組みを実装することが望まれる。特に高権限アカウントの管理と監視の強化、また定期的なセキュリティ評価の実施が、同様の脆弱性対策として有効となるだろう。

参考サイト

1. ^ CVE. 「CVE Record: CVE-2025-30703」. https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2025-30703, (参照 25-04-24).
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2. Oracle. https://www.oracle.com/jp/

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