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ValveがLinux向け互換レイヤー「Proton 10.0-1(beta)」をGithubで公開、多数のゲーム互換性向上とバグ修正を実施

text: XEXEQ編集部
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)


記事の要約

  • ValveがLinux向け互換レイヤー「Proton 10.0-1(beta)」を公開
  • Wine 10.0をベースにDXVK 2.6.1など多数のコンポーネントを更新
  • 多くのWindows向けゲームの互換性とビデオ再生の問題を修正

ValveがLinux向け互換レイヤー「Proton 10.0-1(beta)」をGithubで公開

Valveは、Linux上でWindowsのゲームを動かすためのレイヤー「Proton」の最新版「Proton 10.0-1(beta)」をGithubで公開した。この互換レイヤーはSteam Deckにも採用されている重要な技術で、Linux環境においてWindowsゲームをプレイするために不可欠なコンポーネントとなっている。今回のリリースは安定版のWine 10.0をベースにしており、DirectXをVulkanに変換するレイヤーなど複数の重要コンポーネントがアップデートされた。[1]

Proton 10.0-1(beta)では、以前はProton Experimentalでしか動作しなかった多くのゲームが通常のProtonでも実行可能になった。対象タイトルには「Batman: Arkham Asylum Game of the Year Edition」「Microsoft Flight Simulator 2024」「No Man's Sky VRモード」など14タイトルが含まれており、Linux環境でのゲームプレイの選択肢が大幅に拡大している。

また、多数のゲームにおけるビデオ再生の問題が修正されたほか、「Grand Theft Auto V Enhanced」のランチャーがハングアップする問題や、一部ゲームがIntel GPUでクラッシュする問題も解決された。音声合成機能の初期実装も含まれており、「The Thief, the Witch, the Toad, and the Mushroom」などで機能することが確認されている。

Proton 10.0-1(beta)の主な変更点一覧

項目 詳細
ベースアップデート Wine 10.0をベースに再構築
主要コンポーネント更新 DXVK 2.6.1、DXVK-NVAPI 0.9.0、VKD3D-Proton 2.14.1、Wine-Mono 9.4.0
新たに対応したゲーム Batman: Arkham Asylum GOTY、Factorio、Microsoft Flight Simulator 2024など14タイトル
ビデオ再生改善ゲーム Bloodstained: Ritual of the Night、Greedfall、SOULCALIBUR VIなど12タイトル
機能追加 音声合成機能の初期実装、カスタムdinput8.dllを利用したゲームMODのサポート
バグ修正 GPU関連のクラッシュ修正、32論理コア以上のCPUでの問題修正、VRモード修正

互換レイヤーとは

互換レイヤーとは、あるオペレーティングシステム向けに開発されたソフトウェアを、別のオペレーティングシステム上で動作させるための技術的な仲介層のことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

  • 異なるシステムAPI呼び出しの変換を行う
  • システム固有の機能を別システムで利用可能にする
  • パフォーマンスを最適化するための特殊な処理を実装

ProtonはValveとCodeWeaversが共同開発しているLinux向け互換レイヤーで、Windows向けに開発されたゲームをLinuxで実行できるようにしている。2018年8月21日に初めてリリースされ、Vulkanレンダリングを活用したDirectX変換、コントローラーサポート、フルスクリーンモードの強化など多くの機能が実装されてきた。Steam Deck発売以降、さらに重要性が増しており、Linux向けPCゲーム市場の拡大に大きく貢献している。

Proton 10.0-1(beta)に関する考察

Proton 10.0-1(beta)のリリースは、Linux環境でのゲームプレイの可能性を大きく広げる重要な一歩だといえる。特にMicrosoft Flight Simulator 2024のような大型タイトルや、VRモードの対応など、これまで技術的なハードルが高かった領域にも対応が進んでいることは注目に値する。一方で、ゲームによってはパフォーマンスの問題や一部機能が制限される可能性があり、特に最新の保護機能を持つオンラインゲームとの互換性については課題が残るだろう。

今後の発展として期待したいのは、より多くのゲームの初日からの対応と、オンラインマルチプレイヤーゲームの互換性向上である。すでにEAC対応ゲームのSteamオーバーレイ機能に関するハックが追加されているが、より広範なアンチチートソリューションへの対応は急務だ。また、新たに追加された音声合成機能のさらなる拡充も、アクセシビリティの観点から重要な進展となるはずだ。

Protonのような互換レイヤーの発展は、単にLinux向けゲームプレイの選択肢を増やすだけではなく、オープンプラットフォームでのゲーム環境の多様化にも貢献している。ValveがSteam Deckでの成功を足がかりに、Protonの開発に継続的に投資することで、将来的にはWindows依存からの脱却という大きな変化がゲーム業界にもたらされる可能性がある。

参考サイト

  1. ^ Valve. 「Release Proton 10.0-1 (beta) · ValveSoftware/Proton · GitHub」. https://github.com/ValveSoftware/Proton/releases/tag/proton-10.0-1b, (参照 25-05-05).
  2. 18528
  3. Intel. https://www.intel.co.jp/content/www/jp/ja/homepage.html
  4. Microsoft. https://www.microsoft.com/ja-jp

※上記コンテンツはAIで確認しておりますが、間違い等ある場合はコメントよりご連絡いただけますと幸いです。

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