リチェルカと日鉄物産、AIによる鉄鋼見積業務効率化実証実験開始

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

PR TIMES より

記事の要約

株式会社リチェルカは2025年5月21日、日鉄物産株式会社における営業活動へのAI導入を見据え、見積業務の効率化に向けた実証実験を開始したと発表した。この実証実験は、営業提案の迅速化と業務負荷の軽減を目的とした2ヶ月間のフィジビリティ検証である。

鉄鋼業界では、国やメーカーごとに独自のフォーマットで記載された膨大なカタログが存在し、営業担当者は様々な形式の見積依頼に対し、これらのカタログから該当製品を探し出し、見積を作成している。この業務は、情報の構造や記載単位が異なるため、営業担当者の経験に大きく依存していることが課題となっていたのだ。

リチェルカは、AI-OCR技術を用いた「RECERQA Scan」を活用し、非定型なカタログからの情報抽出、データベース設計、AIによる見積依頼内容の自動読み取りと製品情報の抽出を検証する。将来的には、顧客が求める製品の提案候補を即座に複数メーカーの中から確認できるシステムを目指している。

本PoCは将来的な全社展開に向けた初期フェーズであり、得られた知見や技術的な検証結果は、次フェーズでの本格的なシステム設計・実装に向けた基礎材料として活用される予定だ。

AI-OCRとは、人工知能（AI）を活用した光学文字認識技術である。従来のOCR技術と比較して、非定型データや手書き文字、画像内のテキストなど、様々な形式のデータからの情報抽出を高い精度で行うことが可能だ。

リチェルカが提供する「RECERQA Scan」は、このAI-OCR技術を用いて、鉄鋼カタログのような非定型データからの情報抽出を支援するソリューションである。

本実証実験は、鉄鋼業界における業務効率化にAIが有効であるか検証する重要な取り組みである。成功すれば、営業担当者の負担軽減と顧客対応の迅速化、ひいては顧客満足度の向上に繋がるだろう。しかし、膨大なデータ量やデータの質、AIモデルの精度など、課題も存在する可能性がある。

例えば、カタログデータの正確性や網羅性、AIモデルの学習データの偏りなどが、精度の低下や誤認識につながる可能性がある。これらの問題を解決するためには、データクレンジングやモデルの継続的な学習、そして人間の専門家のチェック体制の構築が不可欠となるだろう。

今後、AIによる自動化範囲の拡大や、AIが提案する製品情報の信頼性向上、そしてより高度な分析機能の追加などが期待される。これらの実現によって、営業活動全体の変革が加速し、より付加価値の高いサービス提供が可能になるだろう。

^ PR TIMES. 「リチェルカ、日鉄物産の見積業務にAI導入を見据えた実証実験を開始──膨大な鉄鋼カタログのデータベース化・情報抽出に挑戦 | 株式会社リチェルカのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000012.000105773.html, (参照 25-05-22).

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