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公開：2024-12-12

シャープと古野電気がLEO/MEO衛星通信アンテナ開発の協業を建設分野に拡大、建設DXの促進に期待

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• シャープと古野電気がLEO/MEO衛星通信アンテナ開発で協業拡大
• 建設現場向けの高速大容量通信環境の構築を目指す
• 建設DX促進のための衛星通信ソリューションを共同開発

シャープと古野電気のLEO/MEO衛星通信アンテナ開発における建設分野への展開

シャープは古野電気株式会社との間で、LEO/MEO衛星通信アンテナ開発における協業範囲を建設分野へと拡大することを2024年12月10日に発表した。シャープはスマートフォンの設計で培った小型・軽量化技術や通信技術を活かし、小型かつ軽量なLEO/MEO衛星通信アンテナの開発を進めており、2024年9月より船舶向け機器において豊富な経験やノウハウを有する古野電気との協業を開始している。^[1]

今回の協業拡大により、シャープが開発するLEO衛星通信アンテナと古野電気の建設現場向けWi-Fiシステムを連携させた建設DX向け衛星通信ソリューションの共同開発に取り組むことが決定した。本ソリューションによって地下や高層階、トンネル内など、モバイルデータ通信が困難な建設現場における高品質で高速大容量のネットワーク環境の構築が可能になる。

新たな衛星通信ソリューションは緊急時の迅速な連絡や効率的かつ高度な施工管理、遠隔監視などの実現に寄与する。また工事の進捗に合わせてネットワーク構築エリアを柔軟に変更できる機能も実装される予定であり、本ソリューションは2024年12月11日から13日まで東京ビッグサイトで開催されるJAPAN BUILD TOKYOの古野電気ブースにて参考展示される。

建設DX向け衛星通信ソリューションの特徴まとめ

LEO/MEO衛星について

LEO（Low Earth Orbit）とMEO（Medium Earth Orbit）は、人工衛星の軌道の種類を表す専門用語である。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

• 地球に近い軌道を周回することで通信の遅延を最小限に抑制
• 複数の衛星を組み合わせることで広範囲な通信カバレッジを実現
• 従来の静止軌道衛星と比較して高速な通信が可能

LEO/MEO衛星通信は建設現場のような通信インフラが整備されていない環境でも高速大容量の通信を実現できる技術として注目を集めている。シャープと古野電気が開発を進める衛星通信アンテナは、LEO/MEO衛星の特性を活かしつつ小型軽量化を実現することで、建設現場での実用的な導入を可能にすることが期待されている。

建設DX向け衛星通信ソリューションに関する考察

建設現場における通信環境の整備は長年の課題であり、LEO/MEO衛星通信アンテナの活用は画期的な解決策となる可能性を秘めている。特に地下やトンネル内などの通信困難な環境での高速大容量通信の実現は、建設業界のデジタル化を大きく前進させる要因となるだろう。

一方で衛星通信システムの導入には、初期コストや運用コストの問題、天候による通信品質への影響、既存の通信インフラとの連携方法など、さまざまな課題が存在する。建設現場特有の環境要因や作業プロセスを考慮した最適な運用方法の確立が、本ソリューションの普及における重要な鍵となるはずだ。

今後は単なる通信手段としてだけでなく、建設現場のIoTデバイスやAIシステムとの連携による新たな価値創造も期待される。シャープと古野電気の技術力を結集した本ソリューションは、建設業界のDXを加速させる重要な基盤技術となる可能性を秘めている。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「古野電気とのLEO／MEO(※1)衛星通信アンテナ開発における協業を建設分野に拡大 | シャープ株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001288.000012900.html, (参照 24-12-12).

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