セキュリティ

SECURITY

公開：2024-12-22

【CVE-2024-54495】macOS Sequoia 15.2とSonoma 14.7.2でファイルシステム保護機能が強化、権限管理の改善により安全性が向上

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• macOS Sequoia 15.2とSonoma 14.7.2のセキュリティ更新
• ファイルシステムの保護領域に対する改善を実施
• アプリケーションの権限管理を強化

macOS Sequoia 15.2とSonoma 14.7.2のセキュリティアップデート

Appleは2024年12月11日、macOS Sequoia 15.2とmacOS Sonoma 14.7.2のセキュリティアップデートを公開した。このアップデートでは保護されたファイルシステムの一部をアプリケーションが変更できてしまう脆弱性【CVE-2024-54495】に対処している。アップデートによって権限の管理ロジックが改善され、セキュリティが強化されたのだ。^[1]

この脆弱性はCWE-863（不適切な認可）に分類されており、CVSSスコアは5.5（MEDIUM）と評価された。攻撃の条件として、ローカルからのアクセスと利用者の操作が必要とされるものの、特別な権限は不要とされており、攻撃者がファイルシステムの保護領域を変更できる可能性が指摘されている。

本アップデートはCISAによって評価され、SSVCフレームワークのバージョン2.0.3での評価では、技術的な影響は部分的とされている。また、自動化された攻撃の可能性はないとされているが、システムの整合性に影響を与える可能性があるため、速やかなアップデートが推奨されるだろう。

macOSセキュリティアップデートの詳細

不適切な認可について

不適切な認可（CWE-863）とは、システムが適切なアクセス制御や権限チェックを実施せずに、保護されたリソースへのアクセスを許可してしまう脆弱性のことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

• 権限チェックの不備によるリソースへの不正アクセス
• 認可処理のバイパスによる制限の回避
• システムの保護機能の無効化の可能性

不適切な認可の脆弱性は、アプリケーションが適切な権限確認を行わずにファイルシステムの保護された領域にアクセスできてしまう問題を引き起こす可能性がある。macOSの場合、システムの整合性保護（SIP）などのセキュリティ機能が実装されているが、この脆弱性によってこれらの保護機能が迂回される可能性があるだろう。

macOSのセキュリティアップデートに関する考察

今回のセキュリティアップデートは、macOSのファイルシステム保護における重要な改善を提供している。アプリケーションの権限管理を強化することで、悪意のあるソフトウェアによるシステムファイルの改変リスクが低減され、ユーザーのデータとプライバシーの保護が向上したと考えられる。ただし、ユーザーの操作を必要とする攻撃ベクトルが残されているため、セキュリティ意識の向上も併せて重要になるだろう。

今後は、権限管理システムのさらなる強化と、ユーザーの意図しない操作による権限昇格を防ぐための機能の実装が期待される。特に、アプリケーションのサンドボックス化やファイルシステムアクセスの監視機能の拡充によって、より強固なセキュリティ基盤が構築されることが望ましい。セキュリティ更新プログラムの配信体制も含めた包括的な改善が進むことを期待したい。

また、CISAによる評価で技術的影響が部分的とされているものの、システムの重要な部分に対する攻撃の可能性は無視できない。今後のmacOSのセキュリティ強化においては、ファイルシステムの保護メカニズムの改善に加え、アプリケーションの権限管理の自動化や、よりきめ細かな制御が可能なフレームワークの導入も検討する必要があるだろう。

参考サイト

1. ^ CVE. 「CVE-2024-54495 | CVE」. https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2024-54495, (参照 24-12-22).
2. Apple. https://www.apple.com/jp/

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