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公開：2025-01-21

双日とBETAらが北九州空港で電動航空機による貨物輸送の実証実験を開始、持続可能な物流網の構築へ前進

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• 電動航空機による貨物輸送の共同検証が決定
• 2025年夏に北九州空港で試験飛行を予定
• 環境に配慮した物流ネットワークの構築へ

双日とBETAらが電動航空機による貨物輸送の共同検証を開始

双日株式会社とBETA Technologies Inc.、ヤマトホールディングス株式会社、北九州市の4者は、北九州空港を拠点とする電動航空機による貨物輸送に向けた共同検証の実施を2025年1月20日に基本合意した。経済合理性や貨物の搭降載などの運用面、充電設備などの技術面の検証に加え、2025年夏にはBETA社製eCTOL「ALIA CTOL」を使用した試験飛行の実施を計画している。^[1]

電動航空機による貨物輸送を想定した2地点間飛行としては日本初となる見込みで、北九州空港と宮崎空港の2地点間で試験飛行を実施する予定だ。このプロジェクトでは、スピード輸送による地方創生や物流における脱炭素化の実現、地方・離島向け物流ネットワークの強化など、持続可能な物流網の構築を目指している。

BETA社製eCTOL「ALIA CTOL」は、ジェット燃料を使用せず電動で空港の滑走路を離着陸する航空機で、積載量560キログラム以上、航続距離約400キロメートル以上という性能を備えている。従来のトラックや船舶などの手段に比べCO2を排出せず効率的な貨物輸送を実現する輸送方法として期待が高まっている。

電動航空機による貨物輸送の共同検証まとめ

eCTOLについて

eCTOLとは「Electric conventional take-off and landing」の略称で、電動で通常の滑走路を使用して離着陸する航空機のことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

• 電動モーターによる環境に配慮した推進システム
• 従来の空港インフラを活用可能な設計
• 効率的な物流輸送を実現する積載能力

BETAのeCTOLとeVTOLの機体構造は約75%が共通しており、効率的な開発と運用が可能となっている。米国では既に米軍や医療、旅客事業者と試験飛行の実績を積み重ねており、2024年までに44カ所に急速充電設備を設置するなど、実用化に向けた取り組みが着実に進められている。

電動航空機による貨物輸送の共同検証に関する考察

電動航空機による貨物輸送は、国内で排出されるCO2の18.5%を占める運輸部門の脱炭素化に大きく貢献する可能性を秘めている。BETAの電動航空機は、従来の化石燃料を使用せず環境負荷を低減しながら、560キログラム以上の積載量と400キロメートル以上の航続距離を実現できる点が画期的だ。

一方で、電動航空機の運用には充電インフラの整備や航空管制との調整など、新たな課題への対応が必要となるだろう。特に地方空港での受け入れ態勢の整備や、悪天候時の運航計画の策定など、実用化に向けては様々な課題をクリアする必要がある。

今後は電動航空機の性能向上や充電インフラの拡充により、より広範な地域での運用が可能になることが期待される。特に離島や過疎地域における物流ネットワークの維持・強化において、電動航空機が果たす役割は極めて大きいだろう。

参考サイト

1. ^ 双日. 「北九州空港を拠点とする電動航空機による貨物輸送に向けた共同検証に基本合意」. https://www.sojitz.com/jp/news/article/20250120.html, (参照 25-01-21).

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