【CVE-2024-12797】OpenSSL 3.2-3.4.0でRPKsを用いたサーバー認証回避の脆弱性が発見、中間者攻撃のリスクに要注意
記事の要約
- OpenSSLにRFC7250に関する脆弱性が発見
- TLSとDTLS接続に中間者攻撃のリスク
- OpenSSL 3.2から3.4.0の一部バージョンが影響を受ける
OpenSSL 3.2-3.4.0の認証回避の脆弱性
OpenSSL Software Foundationは2025年2月11日、OpenSSLの複数バージョンにおいてRFC7250 Raw Public Keys(RPKs)を使用したサーバー認証に関する脆弱性【CVE-2024-12797】を公開した。この脆弱性は、SSL_VERIFY_PEERによる検証モードが設定されていても、想定通りにハンドシェイクが中断されない問題として確認されている。[1]
OpenSSLの3.2.0から3.4.0の間の特定バージョンで発生するこの脆弱性は、TLSおよびDTLS接続においてサーバー認証の失敗を検出できない状態を引き起こす可能性がある。RPKsはデフォルトでは無効化されているものの、クライアントとサーバーの両方でRPKの使用を明示的に有効化している環境では、中間者攻撃のリスクが存在している。
この問題は、SSL_get_verify_result()を呼び出してRPKの検証失敗を確認し、適切な対応を取るクライアントには影響を与えない。OpenSSLの3.0から3.4までのFIPSモジュールもこの脆弱性の影響を受けないことが確認されており、開発チームは該当バージョンのユーザーに対して速やかなアップデートを推奨している。
OpenSSL脆弱性の影響範囲まとめ
項目 | 詳細 |
---|---|
影響を受けるバージョン | OpenSSL 3.2.0-3.2.3、3.3.0-3.3.2、3.4.0 |
深刻度 | CVSS v3.1: 7.3(High) |
影響を受けない条件 | SSL_get_verify_result()による検証実施、FIPSモジュール使用 |
修正バージョン | OpenSSL 3.2.4、3.3.3、3.4.1 |
対策方法 | 最新バージョンへのアップデート |
Raw Public Keys(RPKs)について
Raw Public Keys(RPKs)とは、TLSプロトコルにおいて使用される認証方式の一つで、X.509証明書チェーンの代わりに公開鍵を直接使用する仕組みのことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。
- X.509証明書チェーンよりもシンプルな認証構造
- リソース制約のあるデバイスに適した軽量な認証方式
- TLSクライアントとサーバー間での直接的な鍵交換が可能
OpenSSLではRPKsはデフォルトで無効化されており、クライアントとサーバーの両方で明示的に有効化する必要がある。SSL_VERIFY_PEERモードを使用する場合、サーバーのRPKが期待される公開鍵と一致しない場合にハンドシェイクが失敗するように設計されているが、今回の脆弱性ではこの検証プロセスが正しく機能しない状況が発生する。
OpenSSLの認証回避脆弱性に関する考察
OpenSSLの今回の脆弱性は、セキュリティ検証の基本的な機能に関わる問題であり、その影響は広範囲に及ぶ可能性がある。RPKsを使用する環境では、SSL_get_verify_result()による明示的な検証結果の確認を実装することで、より堅牢なセキュリティ体制を構築することが可能になるだろう。
今後は、RPKsのような軽量認証メカニズムの需要が IoT デバイスの普及とともに増加することが予想される。セキュリティと利便性のバランスを取りながら、より信頼性の高い認証システムの開発が求められているが、実装の複雑さが新たな脆弱性を生む可能性も考慮に入れる必要があるだろう。
OpenSSLコミュニティには、今回のような脆弱性の早期発見と迅速な対応が今後も期待される。特に、デフォルトで無効化されている機能においても、有効化した際の安全性を確保するための包括的なテストケースの拡充が重要になってくるはずだ。
参考サイト
- ^ CVE. 「CVE: Common Vulnerabilities and Exposures」. https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2024-12797, (参照 25-02-18).
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