京都マイクロコンピュータがRISC-V対応のSOLIDバージョン4.0をリリース、組み込みシステム開発の効率化に貢献

PR TIMES より
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記事の要約
- KMCがRISC-V対応のSOLIDバージョン4.0をリリース
- 既存のArm環境と同等の開発環境をRISC-Vで実現
- 開発環境習得時間の大幅削減と導入コスト低減に貢献
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KMCのRISC-V対応SOLIDバージョン4.0開発
京都マイクロコンピュータ株式会社は、NEDOの「省エネAI半導体及びシステムに関する技術開発事業」の研究成果を活用し、RISC-Vプロセッサに対応したリアルタイム開発プラットフォーム「SOLID」バージョン4.0を2025年2月26日にリリースした。本バージョンでは、既存のArmプロセッサ向け開発環境と同等の機能性と使いやすさを実現している。[1]
SOLIDバージョン4.0は、ソフトウェア開発環境とランタイムソフトウェアが連携し、自動バグ検出や分割開発機能など、大規模組み込みソフトウェアを安全に開発するための機能を備えている。この開発により、新たにRISC-Vプロセッサを採用した際の開発環境習得時間を大幅に削減し、導入コストの低減に貢献することが可能となった。
NEDOは本事業において、KMCと東京科学大学、東京大学、セイコーエプソン、デンソー、OTSLが共同でRISC-Vシステム設計プラットフォームの研究開発を進めており、2025年度をめどに東京科学大学内にRISC-V設計拠点の構築を目指している。これにより、日本国内でのRISC-V採用が加速することが期待されている。
SOLIDバージョン4.0の主要機能まとめ
項目 | 詳細 |
---|---|
リリース日 | 2025年2月26日 |
主要機能 | 自動バグ検出、分割開発機能、RISC-V対応 |
開発環境 | LLVM/Clangコンパイラ、JTAGデバッガ連携 |
技術特徴 | MMU設定の自動化、ベアメタルソフトウェア開発対応 |
サービス内容 | RISC-Vプロセッサのカスタム命令に対するコンパイラカスタマイズ |
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MMUについて
MMUとは、Memory Management Unitの略称で、実存するメモリ空間を拡張し、仮想的なメモリ空間に配置する機能を持つハードウェアコンポーネントのことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。
- 物理アドレスと仮想アドレスの変換機能
- メモリ属性の設定による安全性確保
- キャッシュ割り付けなどのメモリ最適化機能
MMUの設定は組み込みシステム開発において重要な要素であり、プロセッサの基本動作に直接影響を与える機能である。SOLIDバージョン4.0では、GUI操作によってMMU設定を自動化することで、開発者がプロセッサの詳細な仕様を理解していなくても効率的な開発が可能となっている。
RISC-V対応SOLIDバージョン4.0に関する考察
RISC-V対応のSOLIDバージョン4.0は、日本の組み込みシステム開発において重要な転換点となる可能性を秘めている。特に開発環境の整備が遅れていたRISC-V分野において、既存のArm環境と同等の開発体験を提供することで、新規参入のハードルを大きく下げることに成功している。RISC-Vの採用を検討する企業にとって、日本語でのサポートが可能な商用開発環境の存在は大きな後押しとなるだろう。
今後の課題として、RISC-Vプロセッサの多様化に伴う開発環境の継続的な更新と、各ベンダー固有の拡張命令への対応が挙げられる。特にAIやIoT分野での活用が期待されるRISC-Vにおいて、プロセッサの特性を最大限に引き出すための最適化支援機能の充実が求められている。KMCには継続的な機能拡張とサポート体制の強化を期待したい。
さらに、RISC-V設計拠点の構築を通じて、日本における半導体設計・開発のエコシステム形成にも貢献することが期待される。オープンアーキテクチャであるRISC-Vの特性を活かし、産学連携による技術革新と人材育成を加速することで、日本の組み込みシステム産業の競争力強化につながるはずだ。
参考サイト
- ^ PR TIMES. 「NEDO事業の研究開発成果により、京都マイクロコンピュータがRISC-Vに対応したリアルタイム開発プラットフォームを開発しました | 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000150.000135644.html, (参照 25-02-27).
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