【CVE-2025-1538】D-Link DAP-1320にヒープベースのバッファオーバーフロー脆弱性、リモート攻撃のリスクが深刻化
記事の要約
- D-Link DAP-1320のset_ws_actionに重大な脆弱性
- ヒープベースのバッファオーバーフローが発見される
- リモートから攻撃可能な深刻な脆弱性として分類
D-Link DAP-1320バージョン1.00の重大な脆弱性
D-Link DAP-1320バージョン1.00において、/dws/apiのset_ws_action機能にヒープベースのバッファオーバーフローの脆弱性が2025年2月21日に公開された。この脆弱性は既にエクスプロイトが公開されており、サポート終了製品に影響を与える重大な問題として認識されている。[1]
CISAによる評価では、この脆弱性はCVSS v4.0で8.7(High)、v3.1で8.8(High)のスコアが付与されており、リモートからの攻撃が可能で攻撃条件の複雑さは低いとされている。攻撃者は特権レベルは必要とするものの、ユーザーの介入なしに攻撃を実行できる可能性があるだろう。
この脆弱性はCWE-122(ヒープベースのバッファオーバーフロー)およびCWE-119(メモリ破壊)に分類されており、攻撃者によって悪用された場合、システムの機密性、整合性、可用性に重大な影響を及ぼす可能性がある。影響を受けるのはバージョン1.00のみであるため、該当するユーザーは直ちに対策を検討する必要がある。
D-Link DAP-1320の脆弱性詳細
項目 | 詳細 |
---|---|
影響を受けるバージョン | DAP-1320 1.00 |
脆弱性の種類 | ヒープベースのバッファオーバーフロー |
影響を受ける機能 | /dws/apiのset_ws_action |
CVSSスコア(v4.0) | 8.7 (High) |
CVSSスコア(v3.1) | 8.8 (High) |
公開日 | 2025年2月21日 |
ヒープベースのバッファオーバーフローについて
ヒープベースのバッファオーバーフローとは、プログラムのヒープ領域で発生するメモリ破壊の一種であり、以下のような特徴がある。
- 動的に確保されたメモリ領域を超えてデータを書き込むことで発生
- システムのクラッシュや任意のコード実行につながる可能性
- メモリ管理の不備により引き起こされる深刻な脆弱性
D-Link DAP-1320の脆弱性では、set_ws_action機能においてヒープ領域のバッファオーバーフローが発生することが確認されている。この種の脆弱性は、攻撃者によって悪用された場合にシステムの制御を奪取される可能性があり、特にネットワーク機器において重大なセキュリティリスクとなる。
D-Link DAP-1320の脆弱性に関する考察
この脆弱性が特に深刻なのは、リモートからの攻撃が可能であり、かつ攻撃条件の複雑さが低いという点である。D-Link DAP-1320がネットワーク機器であることを考慮すると、インターネットに接続された環境下では攻撃者からの標的になりやすく、組織のセキュリティを著しく損なう可能性が高いだろう。
対象となるバージョンが既にサポート終了製品であることから、ベンダーによるセキュリティパッチの提供は期待できない状況だ。そのため、影響を受ける機器を使用している組織は、代替製品への移行や、ネットワークセグメンテーションなどの緩和策を早急に検討する必要があるだろう。
今後は同様の脆弱性を防ぐため、製品のライフサイクル管理とセキュリティアップデートの継続的な提供体制の構築が重要となる。特にIoT機器やネットワーク機器においては、長期的なセキュリティサポートを考慮した製品選定と、定期的なセキュリティ評価の実施が不可欠だ。
参考サイト
- ^ CVE. 「CVE: Common Vulnerabilities and Exposures」. https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2025-1538, (参照 25-02-28).
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