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SECURITY

公開：2025-03-05

【CVE-2025-21157】Adobe InDesign Desktopに深刻な脆弱性、複数バージョンで任意のコード実行の危険性

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• Adobe InDesign Desktopに深刻な脆弱性が発見
• 任意のコード実行が可能な範囲外書き込みの脆弱性
• ID20.0とID19.5.1以前のバージョンが影響を受ける

Adobe InDesign DesktopのID20.0とID19.5.1以前のバージョンに深刻な脆弱性

Adobe Systems Incorporatedは2025年2月11日、Adobe InDesign Desktopの複数のバージョンに影響を与える重大な脆弱性を公開した。この脆弱性は範囲外書き込み（Out-Of-Bounds Write）の問題であり、影響を受けるバージョンはID20.0およびID19.5.1以前のすべてのバージョンとなっている。^[1]

この脆弱性はCVSS（共通脆弱性評価システム）のスコアで7.8（High）と評価されており、現在のユーザーコンテキストで任意のコード実行が可能となる深刻な問題である。攻撃者が用意した悪意のあるファイルをユーザーが開くことで、この脆弱性が悪用される可能性が指摘されている。

Adobe Systems Incorporatedは本脆弱性に対してCVE-2025-21157という識別番号を割り当てており、CWE（共通脆弱性タイプ一覧）ではCWE-787（Out-of-bounds Write）として分類されている。SSVCによる評価では、現時点で自動化された攻撃の証拠は確認されていない。

Adobe InDesign Desktop脆弱性の詳細

範囲外書き込み（Out-Of-Bounds Write）について

範囲外書き込みとは、プログラムが割り当てられたメモリ領域の境界を超えてデータを書き込もうとする脆弱性のことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

• メモリ破壊によるプログラムの異常終了や誤動作を引き起こす可能性
• 攻撃者による任意のコード実行やシステム制御の奪取につながる危険性
• バッファオーバーフローの一種として知られる一般的な脆弱性タイプ

Adobe InDesign Desktopで発見された範囲外書き込みの脆弱性は、CVSSスコア7.8と高い深刻度を示している。この種の脆弱性は適切な入力値の検証やメモリ境界チェックの実装により防ぐことが可能であり、開発者による適切なセキュリティ対策の実装が重要となっている。

Adobe InDesign Desktopの脆弱性に関する考察

Adobe InDesign Desktopの脆弱性が複数のバージョンに影響を与えていることは、製品のセキュリティ管理において重要な課題を提起している。特にユーザーの介在を必要とする攻撃手法は、ソーシャルエンジニアリングと組み合わせることで攻撃の成功率が高まる可能性があるため、早急な対策が必要となっている。

今後はメモリ安全性を確保するための開発プロセスの見直しや、セキュリティテストの強化が求められるだろう。特にバッファ操作を行う部分についてはより厳密なコードレビューやセキュリティ監査を実施し、同様の脆弱性の再発を防ぐ必要がある。

また、ユーザー側の対策としても信頼できない送信元からのファイルを開かないなどの基本的なセキュリティ対策の徹底が重要となる。Adobeには今後も継続的なセキュリティアップデートの提供と、脆弱性情報の迅速な公開を期待したい。

参考サイト

1. ^ CVE. 「CVE: Common Vulnerabilities and Exposures」. https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2025-21157, (参照 25-03-05).

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