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Quantum Meshが液浸冷却システムKAMUIを開発、国内初のコンテナ型データセンターの消費電力を32%削減

text: XEXEQ編集部
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)

Quantum Meshが液浸冷却システムKAMUIを開発、国内初のコンテナ型データセンターの消費電力を32%削減

PR TIMES より


記事の要約

  • Quantum Meshが高効率液浸冷却システムKAMUIを開発
  • ENEOSのIX Type-J採用で消費電力32%削減を実現
  • 国内初の液浸冷却コンテナ型データセンターを商用化

Quantum MeshのKAMUI開発による次世代データセンターの実現

Quantum Mesh株式会社は高効率な液浸冷却システム『KAMUI』を独自開発し、2025年3月10日に発表を行った。本システムではENEOS株式会社が提供するサーバー冷却用液浸冷却液『ENEOS IX Type-J』を採用しており、液浸冷却によるコンテナ収容型のデータセンターとしては国内初の商用化となる。[1]

KAMUIは閉鎖循環式の一相式独自液浸システムを採用しており、サーバー自体を冷却液に浸してサーバーから発生する熱を効率的に吸収する仕組みを実現している。地下水とサーバーの熱交換により、従来の空調による冷却方式と比べて必要電力を1/10以下に抑制することが可能だ。

20フィートコンテナサイズのデータセンターにKAMUIを12台設置することで、2Uサーバーを96台収容できる高密度な運用を実現している。従来の空調設備が不要となることで設置空間を1/5から1/3に削減でき、PUEも1.03から1.04という高効率な運用が可能になった。

KAMUIの仕様まとめ

項目 詳細
製品名 液浸冷却システム『KAMUI』
サイズ 幅1200mm×高さ1400mm×奥行800mm
冷却能力 40kW
使用液剤 ENEOS IX Type-J
収容能力 16Uまでのサーバー(2Uサーバー8台)
電力効率 PUE 1.03~1.04(従来比32%削減)

液浸冷却システムについて

液浸冷却システムとは、サーバーなどの発熱機器を直接冷却液に浸して冷却を行う技術のことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

  • 従来の空冷方式と比べて大幅な省電力化が可能
  • 高密度実装による設置スペースの効率化
  • 地下水などの自然冷媒の活用が可能

従来のデータセンターでは空冷システムが主流だったが、AIの進歩や生成AIの世界的な利用拡大に伴い、より効率的な冷却方式が求められていた。液浸冷却システムは環境負荷の低減と運用コストの削減を両立する次世代の冷却技術として注目を集めている。

液浸冷却システムKAMUIに関する考察

KAMUIの開発は、急増するデータセンター需要に対する革新的なソリューションとなる可能性を秘めている。従来の空冷式と比較して消費電力を32%削減できる点は、環境負荷低減とコスト削減の両面で大きな価値を持つ。特に生成AIの普及により増大するデータセンターの電力需要に対する効果的な解決策となるだろう。

今後の課題として、液浸冷却液の長期使用における性能維持や、サーバーハードウェアとの互換性の確保が挙げられる。また、地下水を利用する冷却方式は地理的な制約を受ける可能性があるため、代替冷却手段の開発も検討が必要だ。設置場所の選定や運用ノウハウの蓄積が今後の普及の鍵を握る。

Quantum Meshには液浸冷却技術のさらなる進化とともに、AIoT時代に適応したデータセンターの新しいスタンダードを確立することが期待される。特に高密度実装と省電力化の両立は、今後のデータセンター設計における重要な指針となるはずだ。業界全体での技術革新をリードする存在となることを期待したい。

参考サイト

  1. ^ PR TIMES. 「Quantum Mesh データセンター向けの高効率な液浸冷却システム『KAMUI』を独自開発、国内初(※1)の商用化へ | Quantum Mesh 株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000010.000132065.html, (参照 25-03-11).

※上記コンテンツはAIで確認しておりますが、間違い等ある場合はコメントよりご連絡いただけますと幸いです。

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