セキュリティ

SECURITY

公開：2025-03-26

【CVE-2025-2690】Yiisoft Yii2 2.0.39以前のバージョンにデシリアライゼーションの脆弱性、リモート攻撃のリスクに警戒

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• Yiisoft Yii2 2.0.39以前にデシリアライゼーションの脆弱性
• MockClass.phpのGenerate関数に深刻な問題が発見
• リモートから攻撃可能な脆弱性としてCVE-2025-2690に登録

Yiisoft Yii2 2.0.39の深刻な脆弱性発見

セキュリティ研究者のgaorenyusiは2025年3月24日、PHPフレームワークYiisoft Yii2 2.0.39以前のバージョンに重大な脆弱性を発見したことを公開した。この脆弱性は、phpunit/src/Framework/MockObject/MockClass.phpファイル内のGenerate関数に存在するデシリアライゼーションの問題に関連している。^[1]

この脆弱性はCVE-2025-2690として登録され、CVSSスコアはバージョン4.0で5.3（中程度）、バージョン3.1と3.0で6.3（中程度）と評価されている。脆弱性の特徴として、リモートからの攻撃が可能であり、攻撃者は特権レベルは低いものの、ユーザーの介入なしに攻撃を実行できる可能性がある。

影響を受けるバージョンはYiisoft Yii2の2.0.0から2.0.39までのすべてのバージョンであり、すでに攻撃コードが公開されている状態だ。この脆弱性は不適切な入力検証（CWE-20）とデシリアライゼーション（CWE-502）の問題として分類されており、早急な対応が必要とされている。

Yiisoft Yii2の脆弱性情報まとめ

デシリアライゼーションについて

デシリアライゼーションとは、シリアライズされたデータを元のオブジェクトや構造体に戻す処理のことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

• データの永続化や転送に使用される重要な技術
• 信頼できないデータのデシリアライズによる任意コード実行の危険性
• 適切な入力検証とサニタイズが必要不可欠

Yiisoft Yii2の脆弱性では、MockClass.phpのGenerate関数におけるデシリアライゼーション処理が適切に保護されていないことが問題となっている。この種の脆弱性は、攻撃者が悪意のあるデータを送信することで、サーバー上で意図しないコードを実行させる可能性があるため、早急なパッチ適用や代替手段の実装が推奨される。

Yiisoft Yii2の脆弱性に関する考察

PHPフレームワークにおけるデシリアライゼーションの脆弱性は、Webアプリケーションのセキュリティに重大な影響を及ぼす可能性がある。特にYiisoft Yii2は広く利用されているフレームワークであり、多くのWebサイトやアプリケーションが影響を受ける可能性があるため、開発者は直ちにセキュリティアップデートを適用する必要があるだろう。

今後は同様の脆弱性を防ぐため、デシリアライゼーション処理時の入力検証やサニタイズ処理の強化が求められる。特にユーザー入力を直接デシリアライズする処理は可能な限り避け、必要な場合は厳密な型チェックや許可リストによる検証を実装することが推奨されるのだ。

Yiisoft Yii2の開発チームには、セキュリティ監査の強化や脆弱性報告プログラムの拡充も検討してほしい。フレームワークのセキュリティ強化は継続的な取り組みが必要であり、コミュニティとの連携を通じて、より堅牢なセキュリティ対策を実現することが期待される。

参考サイト

1. ^ CVE. 「CVE: Common Vulnerabilities and Exposures」. https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2025-2690, (参照 25-03-26).
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