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公開：2025-03-28

TKCが新リース会計基準対応の実態調査を実施、上場企業の44.6%が影響額試算に着手予定

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• TKCが上場企業746社に新リース会計基準の準備状況を調査
• 新基準適用の影響額試算は44.6%が実施中または年内に予定
• 外食・中食業界の61.5%が影響額の試算に着手予定

新リース会計基準への対応状況と企業の準備体制

株式会社TKCは2025年1月時点における新リース会計基準への対応状況について、国内上場企業の約20%にあたる746社を対象に調査を実施し、2025年3月27日に結果を公開した。調査結果によると企業の68.4%が情報収集段階にあり、31.0%が契約書の確認やリースの識別などの実際の準備に着手している状況だ。^[1]

新リース会計基準の影響額試算については、全体の22.1%が現在試算中であり、半年以内に着手予定が11.5%、1年以内に着手予定が11.0%となっている。東証プライム上場企業では46.7%が試算中または年内開始予定と回答しており、企業規模による準備状況の差が明確になった。

使用権資産の想定件数については、11件から100件が16.6%、101件から1000件が16.6%を占めている。特に外食・中食業界では76.9%が101件以上と回答しており、業界特性による影響の大きさが顕著に表れる結果となった。

新リース会計基準対応状況まとめ

新リース会計基準対応の詳細はこちら

リース会計基準について

リース会計基準とは、企業が行うリース取引の会計処理に関する基準のことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

• オペレーティング・リースも資産計上が必要
• 不動産賃貸借取引もリースに識別される可能性
• 使用権資産とリース負債の計上が原則化

新リース会計基準は2027年4月以降に開始する事業年度から強制適用される重要な制度変更となっている。現行基準ではファイナンス・リース取引のみがオンバランス対象だったが、新基準では重要性のあるリース全般について使用権資産とリース負債としての計上が求められることになった。

新リース会計基準に関する考察

新リース会計基準への移行においては、企業の規模や業態によって準備状況に大きな差が生じていることが明らかになった。特に外食・中食業界では使用権資産の件数が多く見込まれており、システム対応や人材育成を含めた包括的な準備体制の構築が急務となっている。

新基準適用による影響額の試算については、年商規模が大きい企業ほど自部門以外での対応が進められている可能性が高く、組織全体での連携体制の確立が重要な課題となっている。今後は会計システムの整備や社内教育の充実、外部専門家との連携強化など、多角的なアプローチでの対応が必要になるだろう。

リース取引の識別や影響額の試算には膨大な時間と労力を要することから、早期の準備着手が成功の鍵を握ることになる。新基準への移行を単なる会計基準の変更としてではなく、業務プロセスの見直しや経営管理の高度化につなげる機会として捉えることが望ましい。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「上場企業746社の経理部門に聞いた「新リース会計基準」対応の準備状況―2.2社に1社は新基準適用による影響額を「試算中」または「年内に試算予定」― | 株式会社ＴＫＣのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000412.000018852.html, (参照 25-03-28).
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