公開:

オプテージなど3社がQKDとPQCを組み合わせた量子セキュア通信の実証実験に成功、高い安全性と可用性を実現

text: XEXEQ編集部
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)


記事の要約

  • 3社がQKDとPQCを組み合わせた実証実験に成功
  • 耐量子性と冗長性を備えた拠点間VPNを構築
  • ブロックチェーンノード運用での秘匿通信も確認

量子暗号技術を活用した高セキュアな通信基盤の実証実験に成功

株式会社オプテージ、東芝デジタルソリューションズ株式会社、フォーティネットジャパン合同会社の3社は2025年3月28日、量子鍵配送と耐量子計算機暗号を組み合わせた実証実験に成功したと発表した。オプテージのデータセンター間を想定した約32kmの通信区間において、東芝デジタルソリューションズのQKDシステムとフォーティネットジャパンの次世代ファイアウォールFortiGateを導入し、量子暗号技術を用いたIPsec-VPNの実証を行ったのだ。[1]

実証実験ではQKDとPQCで暗号化した回線をそれぞれアクティブ/スタンバイで冗長化し、QKDシステムからQKD鍵を取得できない場合にはPQC側の回線に切り替えるVPN環境を構築することに成功した。QKDからPQCへの切り替えは速やかに行われ、ユーザーにはほとんど遅延を感じさせることなくスムーズな切り替えを実現できている。

またブロックチェーンノード運用における秘密鍵情報をQKDによる量子セキュアデータ通信路上でやり取りすることで、盗聴に対するセキュリティを確保しながら拠点間の連携を確立することにも成功した。長時間大容量のデータ転送においてもQKDの有無でデータ伝送品質の安定性が損なわれることはなく、さまざまなアプリケーションのニーズに対応可能な量子セキュアデータ通信環境の構築が可能であることが確認できたのである。

量子セキュアデータ通信の実証実験まとめ

QKD PQC
特徴 光子の量子的性質を利用した暗号鍵配送 量子コンピュータでも解読困難な暗号技術
役割 アクティブ回線として使用 スタンバイ回線として使用
通信環境 32kmの拠点間通信 QKD障害時のバックアップ

量子鍵配送(QKD)について

量子鍵配送とは、光子の量子的性質を利用して暗号鍵を安全に共有する技術のことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

  • 光子が外部からの干渉で必ず状態が変化する性質を利用
  • 第三者による盗聴を確実に検知可能
  • 情報理論的に安全性が証明されている

量子鍵配送システムは光ファイバーを使用して暗号鍵の共有を行うため、継続的な攻撃や回線障害によって鍵生成が停止するリスクが存在する。そのため今回の実証実験では、PQCとの組み合わせにより耐量子性のある回線を冗長化することで、安全性と可用性を両立する通信基盤の構築に成功したのである。

参考サイト

  1. ^ 株式会社オプテージ. 「オプテージと東芝デジタルソリューションズ、フォーティネットジャパン QKD(量子鍵配送)とPQC(耐量子計算機暗号) の組み合わせにより、高い可用性を持つ「量子セキュアデータ通信」に成功 │ プレスリリース │ オプテージ」. https://optage.co.jp/press/2025/press_10.html, (参照 25-04-01).
  2. 6438

※上記コンテンツはAIで確認しておりますが、間違い等ある場合はコメントよりご連絡いただけますと幸いです。

「セキュリティ」に関するコラム一覧「セキュリティ」に関するニュース一覧
アーカイブ一覧
セキュリティに関する人気タグ
セキュリティに関するカテゴリ
ブログに戻る

コメントを残す

コメントは公開前に承認される必要があることにご注意ください。