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PROGRAMMING

公開：2025-04-02

MicrosoftがWebAssemblyランタイム実行環境Hyperlight Wasmを公開、クラウドネイティブコンピューティングの新時代へ

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• MicrosoftがWebAssemblyランタイム実行環境Hyperlight Wasmを公開
• ハイパーバイザベースの保護機能による高速で安全な実行を実現
• Cloud Native Computing FoundationのSandboxプログラムに参加

MicrosoftがHyperlight Wasmをオープンソースで公開、高速なWebAssembly実行環境を提供

Microsoftは、ハイパーバイザベースの保護機能を備えたWebAssemblyランタイム実行環境「Hyperlight Wasm」をオープンソースとして公開した。Hyperlight Wasmは、従来の仮想マシンと比較して高速な起動と効率的な実行を実現し、様々なプログラミング言語で書かれたWebAssemblyコンポーネントを実行することが可能となっている。^[1]

従来の仮想マシンが必要とする仮想デバイスやオペレーティングシステムの読み込みを省略し、メモリの線形スライスとCPUのみを提供することで、起動時間を1-2ミリ秒程度まで短縮することに成功した。この高速性と効率性により、アイドル状態のインスタンスを持つ必要がなく、より効率的なリソース管理が可能となっている。

セキュリティ面では、WasmtimeランタイムによるソフトウェアサンドボックスとHyperlightの仮想マシンによる二重の保護層を実現している。これにより、高い安全性を確保しながら、C、Go、Rust、Python、JavaScriptなど多様なプログラミング言語のサポートを実現している。

Hyperlight Wasmの主な特徴まとめ

WebAssembly System Interface（WASI）について

WebAssembly System Interface（WASI）とは、異なるオペレーティングシステム間での相互運用性を提供するシステムインターフェース標準のことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

• オペレーティングシステムに依存しない標準化されたインターフェース
• 軽量な実行環境での多言語サポート
• セキュアなサンドボックス実行環境の提供

WASIは、プログラミング言語やランタイムに依存せずにWebAssemblyプログラムを実行可能にする重要な技術基盤となっている。Hyperlight WasmではWASIを活用することで、様々なプログラミング言語で書かれたコードを効率的に実行することが可能となっている。

Hyperlight Wasmに関する考察

Hyperlight Wasmの登場は、クラウドネイティブコンピューティングの分野に大きな進展をもたらす可能性を秘めている。特に、従来の仮想マシンと比較して圧倒的に高速な起動時間と効率的なリソース利用は、マイクロサービスアーキテクチャやサーバーレスコンピューティングの実装に新たな可能性を開くものだ。

今後は、開発者がWASIインターフェースを実装する際の複雑さや、既存のアプリケーションをHyperlight Wasm環境に移行する際の課題が出てくる可能性がある。これらの課題に対しては、包括的なドキュメンテーションの提供や、移行ツールの開発が重要になってくるだろう。

また、Arm64プロセッサへの対応やデフォルトのWASIバインディングの追加など、今後の機能拡張にも期待が高まる。クラウドネイティブコンピューティングの発展において、Hyperlight Wasmが果たす役割は非常に大きいものになるはずだ。

参考サイト

1. ^ Microsoft. 「Hyperlight Wasm: Fast secure and OS-free - Microsoft Open Source Blog」. https://opensource.microsoft.com/blog/2025/03/26/hyperlight-wasm-fast-secure-and-os-free/, (参照 25-04-02).
16592
2. Microsoft. https://www.microsoft.com/ja-jp

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