セキュリティ

SECURITY

公開：2025-04-12

【CVE-2025-3140】医療システムにSQLインジェクションの脆弱性、患者データ漏洩のリスクが浮上

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• Online Medicine Ordering System 1.0にSQLインジェクションの脆弱性
• view_category.phpファイルのID引数で脆弱性が発見
• リモートからの攻撃が可能で公開済みの脆弱性

SourceCodester Online Medicine Ordering Systemの脆弱性

SourceCodester社のOnline Medicine Ordering System 1.0において、view_category.phpファイルに重大な脆弱性が2025年4月3日に発見された。VulDBのユーザーであるLena-lyyによって報告されたこの脆弱性は、ID引数の操作によってSQLインジェクション攻撃が可能となることが判明している。^[1]

この脆弱性はCVE-2025-3140として登録され、CVSSスコアは最新のバージョン4.0で5.3（MEDIUM）と評価されている。攻撃元区分はネットワークであり、攻撃条件の複雑さは低く設定されているが、攻撃には特権レベルが必要とされることが特徴的だ。

脆弱性の種類はCWE-89（SQLインジェクション）とCWE-74（インジェクション）に分類されており、リモートからの攻撃が可能な状態となっている。既に攻撃手法が公開されているため、早急な対応が必要とされる状況だ。

Online Medicine Ordering System 1.0の脆弱性詳細

SQLインジェクションについて

SQLインジェクションとは、Webアプリケーションのデータベース操作において、悪意のあるSQLコードを注入する攻撃手法のことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

• データベースの不正な操作や情報漏洩を引き起こす可能性がある
• 入力値の適切なバリデーションやエスケープ処理が不足している場合に発生
• システム全体に重大な影響を及ぼす可能性のある攻撃手法

今回発見されたOnline Medicine Ordering Systemの脆弱性は、view_category.phpファイルのID引数において適切な入力値の検証が行われていないことが原因とされている。SQLインジェクション攻撃が成功した場合、データベース内の情報が不正にアクセスされる可能性があり、医療情報システムとしての信頼性に大きな影響を与える危険性がある。

SQLインジェクション脆弱性に関する考察

医療情報システムにおけるSQLインジェクション脆弱性の発見は、患者データの保護という観点で非常に重要な問題を提起している。特にOnline Medicine Ordering Systemのような医療関連システムでは、個人の医療情報や処方データが含まれている可能性が高く、情報漏洩が発生した場合のリスクは一般的なシステムと比較してはるかに大きいものとなるだろう。

システム開発者は入力値の検証やプリペアドステートメントの使用など、基本的なセキュリティ対策を徹底する必要がある。特に医療システムにおいては、HIPAA準拠などの規制要件も考慮に入れた、より厳格なセキュリティ実装が求められるが、オープンソースのシステムではこれらの要件が十分に考慮されていない可能性もあるだろう。

今後は脆弱性診断の自動化やセキュリティテストの強化など、開発プロセス全体でのセキュリティ対策の見直しが必要となる。医療システムのセキュリティは患者のプライバシーと直結する問題であり、継続的なセキュリティ監査と迅速な脆弱性対応の体制構築が不可欠だ。

参考サイト

1. ^ CVE. 「CVE: Common Vulnerabilities and Exposures」. https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2025-3140, (参照 25-04-12).
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