アーキテクチャ図とは？意味をわかりやすく簡単に解説

text: XEXEQ編集部

アーキテクチャ図とは
アーキテクチャ図の種類と役割
論理アーキテクチャ図の特徴と活用方法
物理アーキテクチャ図の構成要素と表現方法

アーキテクチャ図とは

アーキテクチャ図とはシステム全体の構造や設計の青写真を表現する図であり、システムの主要なコンポーネント間の関係性や相互作用を視覚的に示したものです。ソフトウェアやハードウェアの構成要素、それらの接続方法、データの流れなどを体系的に表現することによって、システム全体の概念的な枠組みを関係者間で共有することができます。

アーキテクチャ図の主な目的はシステムの全体像を俯瞰し、設計の妥当性や一貫性を確認することにあります。技術的な詳細よりも抽象度の高い視点からシステムを表現することで、ビジネス要件とシステム構成の整合性を検証したり、将来的な拡張性や保守性を評価したりする際の基盤となるでしょう。

アーキテクチャ図には複数の表現方法が存在し、目的や対象者によって適切な図法を選択することが重要です。UMLやC4モデル、TOGAF、ArchiMateなどの標準的な表記法を活用することによって、曖昧さを排除し、関係者間での認識齟齬を防ぐことができるでしょう。

アーキテクチャ図の種類と役割

「アーキテクチャ図の種類と役割」に関して、以下を解説していきます。

論理アーキテクチャ図
物理アーキテクチャ図

論理アーキテクチャ図の特徴と活用方法

論理アーキテクチャ図は機能やプロセスなど、システムの概念的な構造を表現する図であり、実装の詳細よりも「何をするか」という観点で設計を示すものです。ビジネス要件とシステム機能の対応関係を明確にすることによって、開発の初期段階での方向性の共有や、ステークホルダーとの合意形成に役立てることができます。

論理アーキテクチャ図はシステムの複雑さを抽象化し、全体像を把握しやすくする効果があるでしょう。特に大規模なシステム開発では、詳細設計に入る前の段階で全体の整合性を確認するための重要なツールとなります。

	表現レベル	主な対象者	作成タイミング
コンテキスト図	最も抽象的	経営層	企画初期
コンテナ図	やや抽象的	プロジェクト管理者	要件定義時
コンポーネント図	やや詳細	設計者	基本設計時
クラス図	最も詳細	開発者	詳細設計時
データフロー図	中程度	分析者	要件定義後

物理アーキテクチャ図の構成要素と表現方法

物理アーキテクチャ図はシステムの実装面に焦点を当て、ハードウェア、ネットワーク、ソフトウェアコンポーネントなどの物理的構成要素とその接続関係を表現したものです。実際のデプロイメント構成や技術スタックを明確にすることによって、インフラストラクチャの設計やシステムリソースの見積もりに不可欠な情報を提供します。

物理アーキテクチャ図は特に運用面での検討に役立つ資料となるでしょう。パフォーマンス要件やセキュリティ対策、可用性の確保など、非機能要件の実現方法を検討する際の基盤となります。