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公開：2025-04-26

熊本県菊陽町と減災ソリューションズが災害図上訓練を実施、DX導入で情報処理効率が向上

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• 株式会社減災ソリューションズが熊本県菊陽町で災害図上訓練を実施
• 紙とペン方式で約3割の災害情報が抜け落ちる問題が判明
• DX導入により情報処理時間が20%短縮され、抜け漏れがほぼゼロに

災害対策本部のDX化で情報共有の精度が大幅に向上

株式会社減災ソリューションズは2025年3月、熊本県菊陽町と共同で大規模地震を想定した災害図上訓練を実施した。従来の紙とペンによる情報処理方式とデジタル方式を同一条件下で比較検証し、アナログ方式での課題を数値化することで、災害対策本部のDX化による具体的な改善効果を明らかにしている。^[1]

災害図上訓練では約20分間に40件の被災・避難情報が殺到する状況を設定し、情報収集担当者、報告担当者、意思決定者の三役に分かれて初動対応を検証している。訓練の結果、紙とペン方式では全体の約3割の情報が抜け落ち、高齢者の転倒事故を5歳児の事故と誤記録するなど、重大な転記ミスが発生することが判明した。

一方、デジタル方式では株式会社減災ソリューションズが開発中の災害情報共有アプリ「GENSAI-Platform」を使用することで、情報の抜け漏れがほぼゼロになり、意思決定までの処理時間も最大20%短縮されることが確認された。参加した職員からは、手書きメモの書き写しが不要になり、情報共有が円滑になったとの評価が寄せられている。

災害図上訓練の検証結果まとめ

災害対策本部について

災害対策本部とは、地震や豪雨などの災害発生時に自治体が設置する危機管理の中枢機関のことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

• 被災者や関係機関からの情報を一元的に収集・管理
• 収集した情報を基に具体的な対応策を決定・指示
• 関係機関との連携・調整を行い、救援活動を統括

従来の災害対策本部では紙とペンによる情報管理が中心であり、緊迫した状況下での情報の変容や欠落が課題となっていた。今回の訓練検証により、デジタル化による情報共有の効率化と正確性の向上が、災害時の迅速な意思決定と対応に大きく寄与することが明らかになっている。

災害対策本部のDX化に関する考察

災害対策本部のDX化により、情報の正確性と共有速度が大幅に向上することが実証されたことは、防災体制の強化において画期的な成果である。特に災害初動期における情報の抜け漏れやミスを防ぐことは、被災者の救援活動や支援物資の配布など、緊急性の高い対応を確実に実施する上で極めて重要な意味を持つだろう。

一方で、デジタルシステムの導入には職員の研修や機器の整備など、事前の準備が不可欠となる。突発的な災害時にもシステムを確実に運用できるよう、定期的な訓練と運用手順の確立が今後の課題となるだろう。

災害対策本部のDX化は、今後全国の自治体に広がっていく可能性が高く、標準的な運用モデルの確立が求められる。特に中小規模の自治体でも導入しやすい仕組みづくりと、広域災害時の自治体間連携を見据えたシステムの相互運用性の確保が重要な検討課題となるだろう。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「紙とペンで“3割”の災害情報が埋もれる？ 災害時の役場での初動対応を数値化し、DX導入の効果を検証 | 株式会社減災ソリューションズのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000150284.html, (参照 25-04-26).
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