NEDOが金属積層造形システム開発に着手、経済安全保障強化へ

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

PR TIMES より

記事の要約

NEDOは2025年5月9日、経済安全保障重要技術育成プログラムの一環として「高度な金属積層造形システム技術の開発・実証」事業に着手すると発表した。この事業では、造形技術、金属粉末、設計技術などの要素技術を一体的に開発し、統合型金属積層造形システムを確立することを目指すのだ。

本事業は、オンサイトでの高機能部品製造と納期短縮を実現する生産プロセスの確立を目指すものである。そのため、実機による実証を行い、品質保証の規格化、認証基準の策定なども行う予定だ。この取り組みによって、幅広い産業分野での活用が期待される。

本事業の成果は、統合型金属積層造形システムとして、様々な産業分野で活用され、製品・部品の製造に貢献することが期待されている。経済安全保障の強化という観点からも、重要な取り組みであると言えるだろう。

本事業は、経済安全保障を強化・推進する観点から、先端的な重要技術の研究開発を進める「経済安全保障重要技術育成プログラム（通称“K Program”）」の一環として実施される。NEDOに造成された基金により、国が定める研究開発ビジョンや研究開発構想に基づき推進されるのだ。

項目	詳細
事業名	経済安全保障重要技術育成プログラム／高度な金属積層造形システム技術の開発・実証
予算	270億円
期間	2024年度～2028年度（予定）
目的	オンサイトでの高機能部品製造と納期短縮を実現する生産プロセスの確立
内容	造形技術、金属粉末、設計技術などの要素技術開発、実機による実証、品質保証の規格化・認証基準策定

金属積層造形技術とは、金属粉末をレーザーなどで溶融・積層することで、複雑な形状の金属部品を製造する技術である。従来の切削加工などに比べて、設計自由度が高く、生産リードタイムを短縮できることが大きなメリットだ。

近年、航空宇宙や医療機器など、高付加価値な部品製造への需要が高まっており、更なる技術開発が求められている。

本事業は、日本の経済安全保障強化に大きく貢献する可能性を秘めている。オンサイトでの製造による納期短縮は、サプライチェーンの脆弱性への対策にも繋がるだろう。しかし、技術開発には予想外の課題や遅延が発生する可能性もある。そのため、綿密な計画と柔軟な対応が求められる。

起こりうる問題としては、想定外の技術的困難や、品質保証規格の策定における遅れなどが挙げられる。これらへの対策として、技術開発の各段階でのリスク評価と、関係各所との連携強化が重要となるだろう。また、国際標準化への積極的な取り組みも必要だ。

今後、より高精度・高速な造形技術、多様な金属材料への対応、AIを活用した設計・製造プロセスの高度化などが期待される。これらの技術革新によって、金属積層造形技術は、更なる産業分野への展開と、経済安全保障への貢献を果たすだろう。

^ PR TIMES. 「「経済安全保障重要技術育成プログラム」で高度な金属積層造形システム技術の開発・実証に着手します | 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000171.000135644.html, (参照 25-05-13).

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