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公開：2024-12-05

パナソニックが英国工場に再生可能エネルギー自家発電設備を導入、3電池連携制御で100%再エネ化を実現へ

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• パナソニックが英国工場に水素活用の自家発電設備を導入
• 純水素型燃料電池と太陽電池、蓄電池の3電池を連携制御
• 工場電力を100%再生可能エネルギーで供給する計画

パナソニックの英国工場における再生可能エネルギー設備導入

パナソニック株式会社は、パナソニック マニュファクチャリングイギリス株式会社の電子レンジ組立工場に再生可能エネルギー自家発電設備の導入を2024年12月4日に完了し試運転を開始した。純水素型燃料電池21台と372 kWの太陽電池、1 MWhの蓄電池を組み合わせた3電池連携制御システムにより、工場の電力需要に応じた効率的な発電と蓄電を実現している。^[1]

純水素型燃料電池では英国内で製造されたグリーン水素を使用し、電子レンジ組立工場の電力供給を脱炭素化する取り組みを進めている。太陽光発電設備については2023年にPMUK社屋の屋根に設置された760 kWの太陽電池のうち、372 kW分を電子レンジ組立工場向けに活用することで、再生可能エネルギーの安定供給を実現するだろう。

新設備では、純水素型燃料電池の発電時に発生する熱を工場内の暖房と給湯に利用することでエネルギー効率95%の達成を目指している。水循環型空調システムの予熱として活用することで温水暖房運転時の消費電力を低減し、既設の電気ボイラーとの熱連携により給湯に必要な消費電力の削減も図っている。

再生可能エネルギー自家発電設備の特徴まとめ

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純水素型燃料電池について

純水素型燃料電池とは、水素と空気中の酸素を化学反応させて電気を生み出す発電装置のことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

• 発電時に水以外の副生成物を出さないクリーンな発電方式
• 高いエネルギー効率と安定した電力供給が可能
• 熱と電気を同時に供給できるコージェネレーションシステム

グリーン水素を燃料として使用する純水素型燃料電池は、再生可能エネルギーの安定供給に重要な役割を果たしている。パナソニックの英国工場では21台の純水素型燃料電池を連携制御することで、運転時間の平準化と無停電メンテナンスを実現し、高い保守性を確保している。

パナソニックの再生可能エネルギー設備に関する考察

パナソニックの英国工場における再生可能エネルギー自家発電設備の導入は、工場の電力を100%再生可能エネルギーで賄う先進的な取り組みとして評価できる。特に3電池の連携制御システムによって、天候や電力需要の変動に柔軟に対応できる点は、工場における再生可能エネルギーの実用化において重要な示唆を与えているだろう。

一方で、グリーン水素の安定供給や純水素型燃料電池の保守管理など、運用面での課題も考えられる。英国内でのグリーン水素製造インフラの整備状況や、燃料電池の長期運用におけるメンテナンスコストなどが、今後の課題として浮上する可能性があるだろう。

今後は、EMSによる需給調整技術の高度化や、他の工場への展開可能性についても注目される。特に気象データを活用した予測制御の精度向上や、熱利用システムの最適化など、運用ノウハウの蓄積が重要になってくるはずだ。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「英国自社工場に水素を活用した再生可能エネルギー自家発電設備を導入 | パナソニックグループのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000006033.000003442.html, (参照 24-12-05).

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