セキュリティ

SECURITY

公開：2024-12-06

【CVE-2024-8849】PDF-XChange Editor 10.3.1.387にAcroForm情報漏洩の脆弱性、ユーザー操作で発生の可能性

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• PDF-XChange EditorにAcroForm情報漏洩の脆弱性
• ユーザーの操作により悪意のあるページやファイルから情報漏洩
• CVE-2024-8849として識別された深刻度の低い脆弱性

PDF-XChange Editor 10.3.1.387のAcroForm脆弱性

2024年11月22日、Zero Day Initiativeは、PDF-XChange Editor 10.3.1.387にAcroFormの処理に関する情報漏洩の脆弱性が存在することを公開した。この脆弱性は【CVE-2024-8849】として識別され、ユーザーが悪意のあるページを訪問したりファイルを開いたりすることで情報漏洩が発生する可能性がある。^[1]

この脆弱性は、ユーザーが提供するデータの適切な検証が行われていないことに起因しており、割り当てられたオブジェクトの終端を超えた読み取りが発生する可能性がある。攻撃者は他の脆弱性と組み合わせることで、現在のプロセスのコンテキストで任意のコードを実行できる可能性が指摘されている。

NVDの評価によると、この脆弱性のCVSSスコアは3.3で深刻度は低いとされている。攻撃元区分はローカルであり、攻撃条件の複雑さは低いものの、特権は不要とされ、ユーザーの関与が必要となっている。影響としては機密性への影響が低度で、完全性と可用性への影響はないと評価されている。

PDF-XChange Editor 10.3.1.387の脆弱性詳細

Out-Of-Bounds Readについて

Out-Of-Bounds Readとは、プログラムが割り当てられたメモリ領域の範囲を超えてデータを読み取ってしまう脆弱性のことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

• メモリ境界を超えたデータアクセスによる情報漏洩
• システムクラッシュやプログラムの異常終了の原因に
• 他の脆弱性と組み合わせることで深刻な被害に発展の可能性

Out-Of-Bounds ReadはCWE-125として分類される一般的な脆弱性タイプで、PDF-XChange Editorの事例では適切な入力検証の欠如が原因となっている。この種の脆弱性は、攻撃者が制御可能なデータを使用して意図的にメモリ境界を超えた読み取りを引き起こし、機密情報を取得する可能性があるため、適切な対策が必要となっている。

PDF-XChange EditorのAcroForm脆弱性に関する考察

PDF-XChange EditorのAcroForm脆弱性は、深刻度は低いものの、ユーザーの操作を介して情報漏洩が発生する可能性があるという点で注意が必要である。特にPDF文書を頻繁に扱うビジネス環境では、信頼できないソースからのファイルを開く際の注意喚起や、ユーザー教育の重要性が高まっているのだ。

今後の対策として、ベンダー側での入力検証の強化やメモリ管理の改善が期待される。また、ユーザー側でもPDFファイルの取り扱いに関するセキュリティガイドラインの整備や、最新のセキュリティアップデートの適用を徹底することで、リスクを最小限に抑えることが可能だろう。

さらに、PDFフォーム処理におけるセキュリティ強化の観点から、サンドボックス環境での実行やメモリ保護機能の実装なども検討課題となる。開発者とユーザーの双方が協力してセキュリティ対策を進めることで、より安全なPDF処理環境の構築が期待される。

参考サイト

1. ^ CVE. 「CVE-2024-8849 | CVE」. https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2024-8849, (参照 24-12-06).

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