セキュリティ

SECURITY

公開：2024-12-13

【CVE-2024-8025】NikonのNEF Codec 1.31.2に深刻な脆弱性、リモートでの任意コード実行が可能に

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• NikonのNEF Codecに深刻な脆弱性が発見
• NRWファイル解析時にヒープベースのバッファオーバーフロー
• リモートでの任意コード実行が可能に

NikonのNEF Codec 1.31.2における脆弱性

Zero Day Initiativeは2024年11月22日、NikonのNEF Codec 1.31.2にヒープベースのバッファオーバーフローの脆弱性が存在することを公開した。この脆弱性はNRWファイルの解析処理において、ユーザーが供給するデータの長さを適切に検証せずにヒープベースのバッファにコピーする際に発生するものである。^[1]

この脆弱性を悪用するには、標的ユーザーが悪意のあるページを訪問するか悪意のあるファイルを開く必要があるものの、攻撃者は現在のプロセスのコンテキスト内で任意のコードを実行することが可能となる。CVSSスコアは7.0と高く評価され、深刻な影響を及ぼす可能性がある。

Zero Day InitiativeはこのNEF Codec脆弱性を「ZDI-CAN-19873」として識別し、一般公開前にNikonへ報告を行っている。この脆弱性は「CVE-2024-8025」として登録され、CWEではCWE-122「ヒープベースのバッファオーバーフロー」に分類されている。

CVE-2024-8025の脆弱性情報まとめ

ヒープベースのバッファオーバーフローについて

ヒープベースのバッファオーバーフローとは、プログラムのヒープ領域に割り当てられたメモリバッファの境界を超えてデータを書き込む脆弱性のことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

• メモリ領域の動的確保時に発生する深刻な脆弱性
• 任意のコード実行やシステムクラッシュの原因となる
• 入力データの検証不足により引き起こされる

NEF Codecの脆弱性では、NRWファイルの解析処理においてユーザーが供給するデータの長さを適切に検証せずにヒープバッファにコピーする際にこの問題が発生している。攻撃者は特別に細工されたNRWファイルを用意することで、この脆弱性を悪用し任意のコードを実行する可能性がある。

Nikon NEF Codec脆弱性に関する考察

NEF Codecの脆弱性は画像処理ソフトウェアの安全性に関する重要な課題を提起している。特にRAW画像処理において、ファイルフォーマットの解析処理は複雑であり、バッファオーバーフローのような基本的な脆弱性が見落とされやすい傾向にある。今後は入力検証の強化とメモリ管理の改善が必要だろう。

デジタルカメラの普及に伴い、RAW画像の処理ソフトウェアの重要性は増している。ユーザーの安全を確保するためには、開発段階での厳密なセキュリティテストと、脆弱性発見後の迅速なパッチ提供体制の整備が不可欠である。特にプロフェッショナル向けの画像編集ワークフローでは、信頼性の確保が極めて重要だ。

今後は機械学習を活用した異常検知システムの導入や、安全なメモリ管理を実現する新しいプログラミング言語の採用も検討に値する。画像処理ソフトウェアのセキュリティ向上には、従来の手法に加えて、新しい技術の積極的な導入が求められるだろう。

参考サイト

1. ^ CVE. 「CVE-2024-8025 | CVE」. https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2024-8025, (参照 24-12-13).

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