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NTTと北海道大学が新構造の光ファイバを開発、IOWN構想の大容量化に向け10倍以上の伝送容量を実現

text: XEXEQ編集部
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)


記事の要約

  • NTTと北大が光ファイバの新構造設計を世界初実証
  • 1本の光ファイバで10倍以上の大容量化を実現
  • IOWN構想の125倍大容量化に向けた要素技術

NTTと北海道大学が世界初の大容量光ファイバ構造を実証

NTTと北海道大学は2024年9月にフランクフルトで開催された光通信技術に関する世界最大の国際会議でトップスコア論文として採択された新たな光ファイバ設計を発表した。この新技術では1本の通信用光ファイバで10倍以上の大容量化を実現する新たな構造設計を世界で初めて考案・実証している。[1]

NTTはこれまでIOWNの大容量光伝送基盤実現のため、現在の光ファイバと同じ細さのガラスの中に4個の光の通り道を多重化した4コアMCFの研究開発を進めてきた。今回の研究成果では光ファイバの細さを維持したまま、より少ないコア数で10以上の空間多重と結合状態を両立することが可能になっている。

本研究では、マルチコア構造を用い隣接する3つのコア間の光結合を利用することで、異なる光の種類の光信号同士の結合を実現することに世界で初めて成功した。この技術はIOWNがめざす伝送容量125倍の実現に向けた重要な要素技術として期待されている。

新構造設計による光ファイバの特徴

従来型MCF 新構造MCF
コア構成 4コア構成 3モード7コア構成
多重度 4 21(7コア×3モード)
光信号結合 同一モード間のみ 異なるモード間も可能
最適曲げ半径 制限あり 50mm

マルチコア光ファイバについて

マルチコア光ファイバとは、1本の光ファイバ内に複数の光の通り道(コア)を設けることで、通信容量を増大させる技術である。従来の光ファイバと同じ細さを保ちながら、より多くのデータを伝送することが可能になる。

  • 複数のコアを1本のファイバ内に配置し並列伝送が可能
  • 従来の光ファイバと同じ細さを維持したまま大容量化を実現
  • コア間の光信号の結合を制御することで伝送効率を向上

マルチコア光ファイバは光通信インフラの大容量化に不可欠な技術として注目されている。北海道大学とNTTが実証した新構造設計では、3つのコア間の光結合を利用することで異なるモードの光信号同士の結合を実現し、より少ないコア数での大容量化を可能にしている。

参考サイト

  1. ^ NTT. 「世界初、マルチコア・マルチモード光ファイバの新たな構造設計を考案・実証~10以上の空間多重を10未満のコア数で実現しマルチモード間の伝搬遅延差も低減~ | ニュースリリース | NTT」. https://group.ntt/jp/newsrelease/2024/12/11/241211b.html, (参照 24-12-13).

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