セキュリティ

SECURITY

公開：2024-12-22

【CVE-2024-54466】macOSの暗号化ボリュームに認証バイパスの脆弱性、複数バージョンのアップデートで対応

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• macOSの暗号化ボリュームに認証バイパスの脆弱性
• macOS Sequoia、Ventura、Sonomaに影響
• 別ユーザーによる不正アクセスのリスクが判明

macOSの暗号化ボリュームにおける認証バイパスの脆弱性

Appleは2024年12月11日、macOSの暗号化ボリュームに関する重要な脆弱性【CVE-2024-54466】を公開した。この脆弱性は認証に関する問題であり、暗号化されたボリュームに対して別のユーザーがパスワード入力を要求されることなくアクセスできてしまう状態であることが判明している。^[1]

この脆弱性の影響を受けるバージョンは、macOS Sequoia 15.2より前のバージョン、macOS Ventura 13.7.2より前のバージョン、そしてmacOS Sonoma 14.7.2より前のバージョンとなっている。Appleはこの問題に対し、認証の状態管理を改善することで対応を行い、最新バージョンで修正を実施した。

NISTのCVSS（共通脆弱性評価システム）によると、この脆弱性の深刻度は「MEDIUM」で、スコアは6.5とされている。攻撃元区分はネットワークで、攻撃条件の複雑さは低く、攻撃に必要な特権レベルは不要だが、ユーザーの関与が必要であると評価されている。

macOSの暗号化ボリューム脆弱性の詳細

認証バイパスについて

認証バイパスとは、システムやアプリケーションの認証機構を回避して、本来アクセス権限のないユーザーが不正にアクセスできてしまう脆弱性のことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

• 正規の認証プロセスを迂回してアクセスを取得
• システムの設計上の欠陥や実装の不備が原因
• 機密情報や重要なリソースへの不正アクセスが可能

macOSの暗号化ボリュームにおける認証バイパスの脆弱性は、状態管理の不備により発生している。暗号化されたボリュームに対するアクセス制御が適切に機能せず、本来であればパスワード認証が必要なアクセスが、認証なしで可能になってしまう深刻な問題となっている。

macOSの暗号化ボリューム脆弱性に関する考察

今回の脆弱性は、macOSの重要なセキュリティ機能である暗号化ボリュームの信頼性に関わる深刻な問題である。認証システムの状態管理における不備は、ユーザーのプライバシーやデータセキュリティに重大な影響を及ぼす可能性があることから、早急な対応が必要となっている。今後は同様の問題を防ぐため、認証システムの設計段階からより厳密な検証が求められるだろう。

この問題への対応として、Appleは認証プロセスの見直しと改善を実施し、状態管理の強化を図っている。しかし、暗号化ボリュームのセキュリティを完全に確保するためには、ユーザー側でも定期的なアップデートの適用や、アクセス権限の適切な設定など、基本的なセキュリティ対策を徹底することが重要だ。

将来的には、AIを活用した異常検知システムの導入や、生体認証との連携強化など、より高度な認証メカニズムの実装が期待される。macOSのセキュリティ機能は常に進化を続けており、今回の経験を活かしたさらなる改善が実現されるはずだ。

参考サイト

1. ^ CVE. 「CVE-2024-54466 | CVE」. https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2024-54466, (参照 24-12-22).
2. Apple. https://www.apple.com/jp/

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