セキュリティ

SECURITY

公開：2025-02-14

【CVE-2025-21135】Adobe Animateに整数アンダーフロー脆弱性、任意のコード実行の危険性

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• Animateに整数アンダーフロー脆弱性が発見
• 任意のコード実行が可能になる深刻な脆弱性
• 悪意のあるファイルを開くことで攻撃が成立

Adobe Animate 24.0.6、23.0.9以前のバージョンに脆弱性

Adobeは2025年1月14日、Adobe Animate 24.0.6、23.0.9以前のバージョンに深刻な脆弱性が存在することを公表した。この脆弱性は整数アンダーフロー（Integer Underflow）に分類され、悪意のあるファイルを開くことで現在のユーザーコンテキストで任意のコード実行が可能になる危険性が指摘されている。^[1]

この脆弱性はCVE-2025-21135として識別されており、CWEによる脆弱性タイプは整数アンダーフロー（CWE-191）に分類されている。CVSSスコアは7.8（High）と評価されており、攻撃元区分はローカル、攻撃条件の複雑さは低いとされている。

Adobeは脆弱性の深刻度を「High」と評価しており、攻撃に特権は不要だがユーザーの操作が必要とされている。影響範囲としては機密性、整合性、可用性のすべてが「High」と評価されており、早急な対応が推奨される。

Adobe Animate脆弱性の詳細

整数アンダーフローについて

整数アンダーフローとは、コンピュータプログラムにおいて数値演算の結果が表現可能な最小値を下回った際に発生する現象のことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

• 変数の最小値を下回る計算結果が予期せぬ値になる
• セキュリティ上の深刻な脆弱性につながる可能性がある
• バッファオーバーフローなどの二次的な攻撃の糸口となり得る

Adobe Animateで発見された整数アンダーフローの脆弱性は、悪意のあるファイルを開くことで攻撃者による任意のコード実行を可能にする。この種の脆弱性は開発時の入力値の検証が不十分な場合に発生することが多く、適切な範囲チェックの実装が重要である。

Adobe Animate脆弱性に関する考察

Adobe Animateの脆弱性が深刻である理由の一つは、攻撃の成功条件が比較的単純なことにある。ユーザーが悪意のあるファイルを開くという一般的な操作で攻撃が成立するため、ソーシャルエンジニアリングと組み合わせることで攻撃の成功率が高くなる可能性が考えられる。

今後の課題として、開発段階での脆弱性検出の強化が重要になってくるだろう。特に整数演算に関する脆弱性は、コードレビューだけでは発見が困難な場合があり、静的解析ツールやファジングテストなどの組み合わせによる包括的なセキュリティテストの実施が求められる。

また、ユーザー側の対策としては、信頼できない送信元からのファイルを開かないという基本的な対策に加え、アプリケーションの自動更新機能の活用や定期的なバージョン確認の習慣化が重要になってくる。セキュリティパッチの適用を組織的に管理する仕組みの構築も検討する必要があるだろう。

参考サイト

1. ^ CVE. 「CVE: Common Vulnerabilities and Exposures」. https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2025-21135, (参照 25-02-14).

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