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公開：2025-02-28

NECが顔情報を保存せずに認証可能な生体情報利用デジタル署名技術を開発、情報漏えいリスクの低減と高精度認証を両立

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• NECが顔情報を保存せずに顔認証を実現する技術を開発
• 顔情報から本人の鍵を生成し照合する新方式を確立
• 2025年度中に決済や入退場での実証実験を開始

NECが開発した新しい顔認証技術の詳細

NECは2025年2月26日、顔認証の精度を維持したまま顔情報を保存することなく認証を実現可能な生体情報利用デジタル署名技術を開発したと発表した。この技術は顔情報から本人の鍵を生成し照合する方式を採用しており、顔情報自体を保存する必要がないため情報漏えいのリスクを大幅に低減することが可能となった。^[1]

新技術では顔の向きや表情、撮影環境などによって生じる顔情報のゆらぎに対応するため、独自のアルゴリズムを開発している。このアルゴリズムは登録時と比較した撮影時の顔情報のゆらぎの大きさを推定し、推定されたゆらぎが大きい場合には他人と判定することで、従来の顔認証と同等の高精度な認証を実現することが可能だ。

さらに生成した鍵を保護したまま照合可能な秘密計算手法も開発しており、顔情報を鍵に変換してから照合するまでの一連の認証処理を暗号化された状態で実行することが可能となった。この技術はECDSAやEdDSAなどの標準デジタル署名方式に準拠しており、電子契約やデジタルアセットの取引などにも応用できる。

新しい顔認証技術の特徴まとめ

秘密計算について

秘密計算とは、データを暗号化したまま演算処理を行うことができる技術のことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

• データを復号することなく計算処理が可能
• 情報漏えいのリスクを最小限に抑制
• プライバシー保護と計算処理の両立を実現

NECが開発した新技術では、秘密計算を用いることで顔情報から生成した鍵を保護したまま照合処理を実行することが可能となった。これにより、従来の顔認証システムで課題となっていた生体情報の保護と認証精度の両立を実現し、より安全な認証基盤の構築に貢献することが期待できる。

参考サイト

1. ^ NEC. 「NEC、顔情報を保存することなく顔認証を実現可能な生体情報利用デジタル署名技術を開発 (2025年2月26日): プレスリリース | NEC」. https://jpn.nec.com/press/202502/20250226_03.html, (参照 25-02-28).
2. NEC. https://jpn.nec.com/

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