セキュリティ

SECURITY

公開：2025-03-04

【CVE-2025-21121】Adobe InDesign Desktopに深刻な脆弱性、任意コード実行の危険性で緊急対応が必要に

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• InDesignに重大な脆弱性が発見され緊急対応が必要
• ID20.0およびID19.5.1以前のバージョンが影響を受ける
• 任意のコード実行のリスクがありユーザー操作で悪用可能

Adobe InDesign Desktopの脆弱性【CVE-2025-21121】

Adobe社は2025年2月11日、デスクトップ向けInDesignの深刻な脆弱性【CVE-2025-21121】を公開した。この脆弱性はバージョンID20.0およびID19.5.1以前のInDesign Desktopに影響を与えるもので、境界外書き込みの問題によって任意のコード実行が可能になる危険性が指摘されている。^[1]

脆弱性を悪用された場合、攻撃者は現在のユーザーコンテキストで任意のコードを実行できる可能性があるため、早急な対応が求められている。この脆弱性の深刻度はCVSS v3.1で7.8（High）と評価されており、ローカルアクセスでの攻撃が可能だが、実際の悪用にはユーザーの操作が必要となる。

Adobe社はセキュリティアドバイザリを通じて詳細な情報を提供しており、影響を受けるバージョンのユーザーに対して最新版への更新を推奨している。SSVCの評価によると、現時点での自動化された攻撃の可能性は確認されていないものの、技術的な影響は重大とされている。

InDesign脆弱性の詳細

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境界外書き込み（Out-of-bounds Write）について

境界外書き込みとは、プログラムが割り当てられたメモリ領域の範囲外にデータを書き込もうとする脆弱性のことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

• バッファオーバーフローを引き起こす可能性がある深刻な脆弱性
• メモリ破壊によってプログラムのクラッシュや任意コード実行のリスクがある
• 入力値の適切な検証や境界チェックの実装で防止可能

境界外書き込みの脆弱性は、CWE（Common Weakness Enumeration）でCWE-787として分類されており、セキュリティ上の重大な問題として認識されている。InDesignの事例では、悪意のあるファイルを開くことで攻撃者が任意のコードを実行できる可能性があり、ユーザーのシステムに深刻な影響を及ぼす危険性がある。

InDesign脆弱性に関する考察

InDesignのような広く使用されているデザインソフトウェアで発見された今回の脆弱性は、企業のデザイン部門やフリーランスのデザイナーに大きな影響を与える可能性がある。特に外部から受け取ったファイルを頻繁に開く必要があるデザイナーにとって、この脆弱性は日常的な業務に支障をきたす危険性をはらんでいるだろう。

今後の課題として、セキュリティアップデートの適用が困難な環境での対応策の検討が必要になってくる。特に旧バージョンのプラグインや作業中のプロジェクトとの互換性の問題から、即座のアップデートが難しいケースも想定されるため、一時的な回避策の提供も重要になってくるだろう。

長期的には、デザインソフトウェアにおけるセキュリティ機能の強化が求められる。特にファイル開封時の安全性確認機能の実装や、悪意のあるコードを検知する機能の追加など、予防的なセキュリティ対策の実装が期待される。

参考サイト

1. ^ CVE. 「CVE: Common Vulnerabilities and Exposures」. https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2025-21121, (参照 25-03-04).

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