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公開：2025-03-08

IppuSenkinとビューカードが生成AI活用した審査マニュアル検索アプリ「みちびき」を開発、業務効率化に向け本格展開

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• IppuSenkinとビューカードが生成AI活用の取り組みを開始
• 審査マニュアル検索アプリ「みちびき」を開発
• オンプレミス環境での高セキュリティシステムを実現

生成AIを活用した審査業務効率化システムの開発開始

株式会社Ippu Senkinと株式会社ビューカードは、クレジットカード入会審査業務における生成AI活用の取り組みを2025年3月6日より開始した。両社は審査マニュアル・FAQ検索アプリケーション「みちびき」を開発し、審査業務の標準化と効率化を通じてお客さまサービスの品質向上を目指している。^[1]

生成AIを活用した「みちびき」は、マニュアルから適切な情報を取得したうでLLMが回答を生成するRAGと、蓄積されたFAQから迅速に回答を提示するFAQ検索を組み合わせたハイブリッド検索システムを採用している。この技術により、大量のマニュアルの記載内容を生成AIが理解しやすい形に前処理し、高度な検索・回答精度を実現することが可能になった。

システムの特徴として、すべてのシステムをオンプレミス環境で構築・運用することで情報漏洩リスクを極小化している点が挙げられる。将来的な拡張性も考慮し、セキュリティを担保しながらクラウド環境へのスムーズな移行も可能な柔軟なシステム設計を採用することで、より広範な業務への展開を見据えた構成となっている。

「みちびき」システムの特徴まとめ

RAGについて

RAGとは「Retrieval-Augmented Generation（検索拡張生成）」の略称で、大規模言語モデル（LLM）を活用した情報検索・生成の手法を指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

• 既存のデータベースから関連情報を検索・抽出
• 抽出した情報を基にLLMが適切な回答を生成
• データの最新性と回答の正確性を両立

「みちびき」システムではRAGを活用することで、膨大な審査マニュアルから必要な情報を的確に抽出し、生成AIによる回答生成を実現している。検索結果画面では回答と共に根拠となるマニュアル情報を表示することで、ハルシネーション対策も実現している。

生成AI活用型審査支援システムに関する考察

生成AIを活用した審査マニュアル検索システムの開発は、クレジットカード業界における業務効率化の新たな可能性を示している。特に1000ページ以上に及ぶマニュアルやFAQの検索性向上は、複雑化する審査業務の効率化に大きく貢献することが期待できるだろう。

一方で、オンプレミス環境での運用は情報セキュリティの観点では優れているものの、システムの拡張性や運用コストの面では課題となる可能性がある。将来的なクラウド環境への移行を見据えた段階的な展開計画と、それに伴うセキュリティ対策の強化が重要になってくるだろう。

今後は審査業務のさらなる効率化に向けて、マニュアル更新業務の自動化やAIによる審査判断支援機能の追加が期待される。特に審査ルールの変更に伴うマニュアル更新の自動化は、業務効率の向上と人的ミスの防止に大きく寄与するはずだ。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「Ippu Senkinとビューカードは協業し生成AI活用を通じた与信業務効率化に向けた取組みを開始しました。 | 株式会社Ippu Senkinのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000154651.html, (参照 25-03-08).

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