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公開：2025-03-25

安田倉庫が余剰電力循環型太陽光PPAを初導入、九州営業所の再エネ活用で年間262トンのCO2削減へ

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• 安田倉庫が初の余剰電力循環型太陽光PPAを導入開始
• 九州営業所の再エネ活用比率を最大41%まで向上
• 年間約262,000kgのCO2排出量削減を実現

安田倉庫の余剰電力循環型太陽光PPA導入の取り組み

安田倉庫株式会社は、サーキュラーグリーンエナジー合同会社と余剰電力循環型太陽光PPAサービス契約を2025年3月24日に締結し、九州営業所への導入を開始した。同社は2030年までにグループのCO2排出量を2022年度比で30%削減する目標を掲げており、この目標達成に向けた具体的な施策として本取り組みを実施している。^[1]

物流施設は広大な屋根面積を持つ一方で電力使用量が少ないため、従来は屋根全面への自家消費型太陽光発電設備の導入が困難であった。アイ・グリッド独自の余剰電力予測AIを活用することで、余剰電力を他の電力利用者へ供給する仕組みを構築し、発電設備の有効活用を可能にしている。

本取り組みによる年間電力供給量は約566,000kWhとなり、このうち約339,000kWhを安田倉庫九州営業所で自家消費し、残りの約227,000kWhを他の電力利用者に供給する。CO2排出量の削減効果は、自家消費分で年間約157,000kg、余剰電力供給分で年間約105,000kgを見込んでいる。

余剰電力循環型太陽光PPAの概要

PPAについて

PPAとは「Power Purchase Agreement（電力販売契約）」の略称で、発電事業者と電力需要家との間で直接締結される電力販売契約のことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

• 需要家の初期投資なしで再生可能エネルギー設備を導入可能
• 長期の電力購入契約により安定的な電力調達が実現
• オンサイト型とオフサイト型の2種類の契約形態が存在

物流施設における余剰電力循環型太陽光PPAは、広大な屋根面積を活用した発電と需要家の実際の使用電力量のミスマッチを解消する革新的な仕組みとなっている。アイ・グリッドの余剰電力予測AIを活用することで、効率的な電力の循環利用を実現し、再生可能エネルギーの普及促進に貢献している。

余剰電力循環型太陽光PPAに関する考察

余剰電力循環型太陽光PPAの導入により、これまで活用が困難だった物流施設の広大な屋根面積を再生可能エネルギー発電に有効活用できるようになった点は画期的である。AIによる余剰電力予測技術と組み合わせることで、発電効率と経済性を両立させた持続可能なエネルギーシステムの構築に成功している。

今後は天候や季節による発電量の変動への対応や、余剰電力の需給バランスの最適化が課題となる可能性がある。蓄電池システムの導入や、地域間での電力融通の仕組みづくりなど、さらなる技術革新と制度設計が求められるだろう。

物流施設以外の大規模建築物への展開や、地域コミュニティでの電力シェアリングなど、本システムの応用可能性は広がっている。再生可能エネルギーの主力電源化に向けて、このような革新的な取り組みがさらに普及していくことが期待される。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「安田倉庫、初の余剰電力循環型太陽光PPA 導入 | 安田倉庫株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000025.000130230.html, (参照 25-03-25).
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