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SECURITY

公開：2025-04-01

サイバートラストと弁護士ドットコムが量子コンピュータ耐性の暗号技術検証を開始、電子契約の長期的安全性確保へ

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• サイバートラストと弁護士ドットコムがPQC技術検証を開始
• 量子コンピュータ時代の電子契約の安全性確保を目指す
• 両社の専門性を活かし長期的なデータセキュリティを追求

サイバートラストと弁護士ドットコムのPQC技術検証開始

サイバートラスト株式会社は弁護士ドットコム株式会社と共同で、耐量子計算機暗号（PQC）を活用した電子契約の技術検証を2025年3月28日に開始した。弁護士ドットコムは電子契約サービス「クラウドサイン」を提供する業界のリーディングカンパニーであり、サイバートラストは2023年1月にPQCデジタル署名の概念実証を完了している。^[1]

両社は量子コンピュータの演算能力による既存暗号技術の解読リスクに対応するため、新たな暗号技術の導入を進めることを決定した。NISTが進める耐量子計算機暗号の標準化に対応し、サイバートラストは3つのPQC暗号方式への対応を実証済みで、今後は顧客のPQC移行検証を支援していく。

技術検証では弁護士ドットコムの「クラウドサイン」とサイバートラストの「iTrust 電子署名用証明書」および「iTrust リモート署名サービス」を連携させ、電子契約システムへのPQC実装を多角的に評価する。このプロジェクトを通じて、量子コンピュータ時代における契約データの長期的な安全性確保を目指している。

PQC技術検証プロジェクトの概要

PQCについて

PQC（Post-Quantum Cryptography）とは、量子コンピュータが実用化された後でも安全性を維持できる次世代の暗号技術のことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

• 量子コンピュータによる解読への耐性を持つ暗号アルゴリズム
• NISTによる標準化が進められている新しい暗号技術
• 既存の公開鍵暗号に代わる長期的なデータ保護手段

PQCは電子契約をはじめとするデジタルサービスの将来的な安全性を確保する上で重要な技術となっている。サイバートラストと弁護士ドットコムの技術検証では、クラウドサインとiTrustサービスを活用してPQCの実用化に向けた評価を進めており、両社の専門性を活かした取り組みが注目されている。

PQC技術検証に関する考察

サイバートラストと弁護士ドットコムによるPQC技術検証は、電子契約の未来を見据えた先進的な取り組みとして評価できる。両社がそれぞれの強みを活かし、量子コンピュータ時代における契約データの安全性確保に向けた具体的なソリューションを模索していることは、デジタルトランスフォーメーションを推進する企業にとって重要な指針となるだろう。

今後の課題として、PQC実装に伴うシステムパフォーマンスへの影響や、既存の電子契約との互換性確保が挙げられる。これらの課題に対しては、段階的な移行計画の策定や、ユーザー企業への丁寧な説明とサポート体制の構築が重要になってくるだろう。

また、電子契約市場全体としてPQCへの対応が進むことで、より安全で信頼性の高いデジタル契約基盤が整備されることが期待される。両社には業界のリーディングカンパニーとして、PQC導入のベストプラクティスを確立し、市場全体の発展を牽引する役割が求められている。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「サイバートラスト、弁護士ドットコムと量子コンピュータ耐性の暗号技術検証を開始 | サイバートラスト株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000081.000086813.html, (参照 25-04-01).
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