南海トラフ地震臨時情報発表後、被害予想エリアで災害対策関連品目の支出が約2倍に増加、「Zaim」の家計簿データ分析で明らかに

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

PR TIMES より

記事の要約

南海トラフ地震臨時情報発表後、被害予想エリアで災害対策関連品目の支出が約2倍に
最も早く購入されたのは「水」、「電池・電球」は7月平均の6倍以上の支出
全国的に災害対策関連品目の購入が増加

南海トラフ地震臨時情報発表後の災害対策関連品目の購買行動変化

くふうカンパニーグループが運営する家計簿サービス「Zaim」は、2024年8月8日の南海トラフ地震臨時情報発表後の購買行動の変化を分析した。被害予想エリアでは災害対策関連品目への支出総額が7月平均の約2倍となり、特定の品目では6～7倍の支出増加が確認された。^[1]

最も早く購入に動いた品目は「水」であり、臨時情報発表直後から支出が急増した。また「電池・電球」は7月の1日あたりの平均支出額の6倍以上を記録し、停電への備えとして電池の備蓄が進んだことが推測される。その他、食料品や消耗品も2倍以上の支出増加を示した。

全国エリアにおいても8月10日は7月平均の約1.5倍と支出が増加しており、被害予想エリアに限らず全国的に災害対策関連品目の購入が進んだことが明らかとなった。一方、四国エリアでは他のエリアに比べて伸び率が小さく、普段から備えがされていることが一因として考えられる。

南海トラフ地震臨時情報発表後の災害対策関連品目支出状況

	水	電池・電球	缶詰・レトルト食品	ティッシュ・トイレットペーパー	米・穀類
支出増加率	最も早く増加	7月平均の6倍以上	2倍以上	2倍以上	約2倍
購入タイミング	発表直後	8月9日、10日	8月9日、10日	8月9日、10日	三連休にかけて緩やかに増加
考えられる理由	飲料水の確保	停電への備え	非常食の備蓄	生活必需品の確保	主食の備蓄

南海トラフ地震について

南海トラフ地震とは、南海トラフと呼ばれる海溝沿いの巨大地震のことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

静岡県から宮崎県にかけての太平洋沿岸部が影響を受ける可能性が高い
マグニチュード8～9クラスの巨大地震が想定されている
今後30年以内の発生確率が70～80%と高く、防災対策が急務とされている

内閣府が発表する南海トラフ地震防災対策推進地域には、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、奈良県、和歌山県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、宮崎県の全域が指定されている。このため、これらの地域では特に詳細な防災計画の策定や、住民への啓発活動が重要となっている。

南海トラフ地震臨時情報発表後の購買行動に関する考察

南海トラフ地震臨時情報の発表が、人々の防災意識を急激に高めたことは注目に値する。特に被害予想エリアでの支出増加は、災害への具体的な備えが急速に進んだことを示しており、政府の情報発信が効果的に作用したと言えるだろう。一方で、この急激な需要増加は一時的な品不足を引き起こす可能性もあり、供給体制の整備が課題となる。

今後は、この高まった防災意識を一過性のものにせず、継続的な備えにつなげていくことが重要だ。定期的な防災用品の点検や、家族での避難計画の作成など、日常的な防災活動を促進する取り組みが求められる。また、地域ごとの備蓄状況の差異に着目し、より効果的な防災対策の立案につなげることも検討すべきだろう。

さらに、この購買行動の分析結果を活用し、必要な物資の種類や量をより正確に予測することで、行政や小売業者の効率的な備蓄計画立案に貢献できる可能性がある。今回の分析を基に、地域特性や季節変動なども考慮した詳細な需要予測モデルの構築が期待される。

参考サイト

^ PR TIMES. 「【Zaimの家計簿データ分析】南海トラフ地震臨時情報発表後、被害予想エリアでは災害対策関連品目の支出が約2倍に | 株式会社くふうカンパニーのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000409.000046400.html, (参照 24-08-29).

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