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JDIが世界初のeLEAPとHMO技術を採用した32型車載用ディスプレイを開発、高輝度と低消費電力を実現

text: XEXEQ編集部
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)


記事の要約

  • JDIが次世代有機ELディスプレイ"eLEAP"で32型車載用ディスプレイを開発
  • HMO技術を採用したバックプレーンを搭載し世界初の技術を実現
  • 高輝度・長寿命を特徴とする大型自由形状ディスプレイを実現

JDIが世界初となるeLEAPとHMOを組み合わせた32型車載用ディスプレイを開発

ジャパンディスプレイ(JDI)は2024年12月3日、次世代有機ELディスプレイ技術"eLEAP"とHMO技術を組み合わせた32型車載用ディスプレイの開発を発表した。従来のOLEDと比較して約2倍の高開口率を実現し、車載用途で重要となる長寿命化にも成功している。[1]

新開発された32型車載用ディスプレイは、世界初となるメタルマスクレスとフォトリソを組み合わせた方式で画素を形成することで、大型かつ自由な形状の設計が可能となっている。高移動度酸化物半導体であるHMO技術をバックプレーンに採用することで、高輝度化と低消費電力化を両立したことが特徴だ。

従来のLCDディスプレイと比較して、消費電力を58Wから14Wへと約76%削減することに成功した。また、解像度は5760×1080画素から6460×880画素へと向上し、明るさも870cd/m2から1,000cd/m2へと約15%改善している。コントラスト比は1,450:1から1,000,000:1へと大幅な向上を実現した。

eLEAPとHMOの特徴まとめ

従来品(LCD) 新開発品(eLEAP)
解像度 5760×1080画素 6460×880画素
画素精細度 183ppi 205ppi
明るさ(輝度) 870cd/m2 1,000cd/m2
消費電力 58W 14W
コントラスト 1,450:1 1,000,000:1

eLEAPについて

eLEAPとは、環境に配慮した次世代有機ELディスプレイ技術のことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

  • メタルマスクレスとフォトリソ方式による高精細な画素形成
  • 従来OLEDを上回る高開口率と高効率な発光特性
  • 大型かつ自由な形状のディスプレイ設計が可能

eLEAPの最大の特徴は、メタルマスクなしでリソグラフィ工程を実現できる点にある。この技術革新により、従来のOLEDディスプレイで必要だったマスクの洗浄工程が不要となり、年間15万トンのCO2排出量削減に貢献することが可能になっている。

32型車載用ディスプレイの開発に関する考察

JDIが開発した32型車載用ディスプレイは、自動運転車両の普及に向けた重要な技術革新となる可能性を秘めている。特に高輝度と低消費電力を両立させた点は、車載ディスプレイに求められる高い視認性と省エネルギー性能を満たしており、今後の車載ディスプレイ市場に大きな影響を与えるだろう。

ただし、新技術の実用化に向けては製造コストと量産体制の確立が課題となることが予想される。特にメタルマスクレス技術の歩留まり向上と製造ラインの整備には相応の時間と投資が必要となるため、早期の量産化と価格競争力の確保が重要な鍵を握っている。

長期的な展望として、eLEAPとHMOの組み合わせは車載用途以外のディスプレイ分野への応用も期待できる。スマートホームデバイスやデジタルサイネージなど、様々な分野での活用が見込まれることから、JDIの今後の事業展開に注目が集まるところだ。

参考サイト

  1. ^ ジャパンディスプレイ. 「世界初「eLEAP+HMO」高性能32型車載用ディスプレイ」. https://www.j-display.com/news/news_file/file/241203_32inch_eleaphmo_.presentation.pdf, (参照 24-12-05).

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