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公開：2024-12-06

公取委がアマゾンジャパンの独禁法違反を調査、出品者への価格設定とFBA利用制限が焦点に

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• 公取委がアマゾンジャパンの独禁法違反疑惑を審査開始
• Amazon.co.jpの出品者からの情報・意見募集を実施
• 商品表示位置と価格設定に関する制限行為を調査

公取委によるアマゾンジャパンへの独禁法違反疑惑調査開始

公正取引委員会は2024年12月4日、アマゾンジャパン合同会社による独占禁止法違反の疑いについて審査を開始し、Amazon.co.jpの出品者からの情報・意見募集を開始した。アマゾンジャパンは「おすすめ出品」の掲載スペースに関連して、商品の価格設定や配送サービスの利用を制限している可能性が指摘されている。^[1]

調査対象となる行為には、出品者に対して商品の販売価格を「競争力のある価格」とすることを求める点と、「フルフィルメント by Amazon」と呼ばれる配送支援サービスの利用を促す点が含まれている。これらの行為が出品者の事業活動を不当に制限している可能性について、公取委は重点的な審査を進めている。

公取委は意見募集フォームを通じて出品者から具体的な情報提供を受け付けており、提出された情報は本件審査のみに使用される。なお、この審査実施および意見募集は、必ずしも独占禁止法違反が存在することを意味するものではないとしている。

アマゾンジャパンの審査対象となる行為まとめ

フルフィルメント by Amazonについて

フルフィルメント by Amazon（FBA）とは、出品者の商品の保管、配送、カスタマーサービスをAmazonが代行するサービスのことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

• Amazonの物流網を活用した迅速な配送
• 24時間体制のカスタマーサービス対応
• Prime会員向け配送特典の適用が可能

Amazonの物流システムを活用することで出品者は在庫管理や配送業務から解放され、本業に専念することが可能になる。一方で、このサービスの利用を事実上強制されることは、出品者の事業活動の自由を制限する可能性があるとして、今回の調査対象となっている。

アマゾンジャパンの独禁法違反疑惑調査に関する考察

公取委による今回の調査は、巨大ECプラットフォーマーの市場支配力に対する監視強化の動きとして注目に値する。特にアマゾンジャパンの価格設定への関与は、市場における公正な競争を阻害する可能性があり、中小の出品者にとって大きな事業リスクとなっているだろう。

今後の課題として、プラットフォーム事業者と出品者との間の適切なパワーバランスの構築が挙げられる。FBAのような物流サービスは出品者の利便性向上に貢献する一方で、その利用を強制することは独占禁止法上の問題を引き起こす可能性が高い。デジタルプラットフォームの特性を考慮した新たな規制の枠組みが必要になるだろう。

長期的には、ECプラットフォームの健全な発展のために、出品者の事業の自由度を確保しつつ、消費者便益も維持するバランスの取れた施策が求められる。公取委の調査結果は、今後のデジタル市場における競争政策の方向性を示す重要な指針となるはずだ。

参考サイト

1. ^ 公正取引委員会. 「アマゾンジャパン合同会社による独占禁止法違反被疑行為に関する出品者からの情報・意見の募集について | 公正取引委員会」. https://www.jftc.go.jp/soudan/jyohoteikyo/1204.html, (参照 24-12-06).
2. 公正取引委員会. https://www.jftc.go.jp/

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