AI

エーアイ

公開：2024-12-13

Microsoftが水を使用しない次世代データセンター設計を発表、閉ループシステムでAIワークロードの冷却効率を最適化

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• Microsoftが水を使用しない次世代データセンター設計を発表
• チップレベルの冷却ソリューションで正確な温度制御を実現
• 1施設あたり年間1億2500万リットルの水を節約可能

Microsoftが発表した水を使用しないデータセンターの設計詳細

Microsoftは次世代データセンターの設計において、AIワークロードの最適化と環境負荷低減を両立する新たな冷却システムを2024年12月9日に発表した。チップレベルの冷却ソリューションを採用することで水の蒸発を伴わない温度制御を実現し、従来のデータセンターと比較して大幅な水資源の節約が期待できるようになった。^[1]

新しい冷却設計では閉ループシステムを採用しており、建設時に充填された水が継続的にサーバーとチラー間を循環することで効率的な熱放散を実現している。この革新的な設計により、トイレや厨房などの管理目的以外での水使用を完全に排除し、1施設あたり年間1億2500万リットル以上の水資源を保全することが可能になった。

2024年8月以降に設計される全ての新規データセンターにこの次世代冷却技術が導入されることになっており、2026年にはアリゾナ州フェニックスとウィスコンシン州マウントプレザントでパイロットプロジェクトが開始される。これらの新施設は2027年後半から順次稼働を開始し、Microsoftのデータセンターポートフォリオ全体での水使用効率の向上に貢献することが期待されている。

次世代データセンターの特徴まとめ

チップレベル冷却ソリューションについて

チップレベル冷却ソリューションとは、プロセッサやメモリなどの発熱部品に直接的に冷却技術を適用する方式のことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

• 発熱源に直接アプローチすることによる高効率な熱処理
• 水の蒸発を伴わない環境負荷の少ない冷却方式
• 閉ループシステムによる持続可能な温度管理

チップレベル冷却ソリューションは水を使用しない次世代の冷却技術として注目を集めており、特にAIワークロードのような高負荷処理に対して効果的な温度制御を実現できる。Microsoftの新設計では、この技術を活用することでデータセンター全体の冷却効率を最適化し、持続可能な運用を可能にしている。

次世代データセンターの冷却設計に関する考察

Microsoftが導入する水を使用しない冷却システムは、データセンターの環境負荷低減に向けた画期的なソリューションとして評価できる。特に水資源の枯渇が懸念される地域においては、年間1億2500万リットル以上の水資源を節約できることから、地域社会との共生を図る上で重要な技術革新となるだろう。

ただし、チップレベルの冷却ソリューションの導入には、従来のシステムと比較して初期コストの増加や運用ノウハウの蓄積が必要となる課題が存在する。閉ループシステムの長期的な信頼性や保守性についても、実証実験を通じた検証が不可欠であり、パイロットプロジェクトの成果が今後の展開の鍵を握ることになるだろう。

今後は水を使用しない冷却技術の更なる効率化や、他のクラウドプロバイダーへの技術展開も期待される。特にAIワークロードの増加に伴うデータセンターの消費電力増大が予想される中、環境負荷を最小限に抑えつつ処理性能を最大化する技術革新の重要性は一層高まっていくはずだ。

参考サイト

1. ^ Microsoft. 「Sustainable by design: Next-generation datacenters consume zero water for cooling | The Microsoft Cloud Blog」. https://www.microsoft.com/en-us/microsoft-cloud/blog/2024/12/09/sustainable-by-design-next-generation-datacenters-consume-zero-water-for-cooling/, (参照 24-12-13).
2. Microsoft. https://www.microsoft.com/ja-jp

※上記コンテンツはAIで確認しておりますが、間違い等ある場合はコメントよりご連絡いただけますと幸いです。

「AI」に関するコラム一覧「AI」に関するニュース一覧