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公開：2024-12-24

MQueが軌道上燃料再補給技術の開発でNEDO採択、AIと流体シミュレーションで宇宙ビジネスの革新へ

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• MQueがNEDOのSBIRプログラムのフェーズ1に採択
• 軌道上燃料再補給船の流れ場再構築に関する開発を実施
• AIを活用した液体燃料タンクのデジタルツイン実現へ

MQueが軌道上燃料再補給技術の開発でNEDO採択

気液二相流解析を得意とするMQueは、NEDOの2024年度SBIR推進プログラムのフェーズ1に採択されたことを2024年12月24日に発表した。採択されたテーマは軌道上燃料再補給船におけるAIによる流れ場再構築に関する開発で、微小重力環境における燃料タンク内の液体挙動の把握を目指すものである。^[1]

人工衛星の寿命延長を実現するための軌道上燃料再補給ビジネスでは、微小重力環境での燃料タンク内の液体挙動の経験的な把握が困難という課題が存在している。このような課題に対し、MQueは流体シミュレーションとAIによるタンク内液挙動の予測技術を開発することで解決を図るのだ。

MQueは航空宇宙発の熱流体や気液二相流を中心とした高精度な数値流体シミュレーション技術を持つスタートアップ企業である。ドイツのマックスプランク研究所や東大航空宇宙、NVIDIAなど世界トップレベルの出身者がチームとなり、製造業の製品開発における品質とコストの課題解決に取り組んでいる。

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気液二相流について

気液二相流とは、気体と液体が混在して流れる現象のことを指す流体力学の専門用語である。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

• 気体と液体が混在する複雑な流れの挙動を示す
• 微小重力環境下では表面張力が支配的になる
• 数値シミュレーションによる予測が困難な現象の一つ

宇宙空間における燃料補給では、微小重力環境下での気液二相流の挙動理解が極めて重要である。MQueが開発を目指す技術は、AIと流体シミュレーションを組み合わせることで、この複雑な現象の予測と制御を可能にしようとしているのだ。

軌道上燃料再補給技術の開発に関する考察

軌道上燃料再補給技術の実現には、AIと流体シミュレーションを組み合わせた革新的なアプローチが有効である可能性が高い。従来の経験則だけでは対応が困難だった微小重力環境下での液体挙動を、デジタルツインによってリアルタイムに把握できるようになれば、運用リスクの大幅な低減が期待できるだろう。

一方で、AIモデルの精度向上や実環境での検証には、多くの時間と投資が必要になることが予想される。特に宇宙空間という特殊な環境下での実証実験には、地上での事前検証も含めて慎重なアプローチが求められるため、開発期間の長期化やコストの増大が課題となる可能性がある。

今後は、地上での実験データと軌道上での実測データを組み合わせた学習モデルの構築が重要になってくるだろう。MQueの持つ気液二相流解析の知見と世界トップレベルの技術者たちの経験が、この課題解決にどのように活かされていくのか注目が集まる。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「気液二相流解析を強みとする「MQue」、NEDOの「SBIR推進プログラム（一気通貫型）」に採択 | 株式会社MQueのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000140645.html, (参照 24-12-24).
2. NVIDIA. https://www.nvidia.com/ja-jp/

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