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公開：2025-01-16

文化庁が個人クリエイター向け著作権侵害対策支援を開始、弁護士費用の助成で権利行使を促進

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• 文化庁がインターネット上の著作権侵害対策支援を開始
• 個人クリエイターの権利行使費用を上限400万円まで支援
• SARTRASとJNCAが共通目的事業として実施

文化庁の個人クリエイター向け著作権侵害対策支援が開始

文化庁は個人クリエイターの権利保護を強化するため、インターネット上の著作権侵害等への権利行使支援事業を2025年1月14日より開始した。本事業は授業目的公衆送信補償金等管理協会が共通目的事業として実施し、日本ネットクリエイター協会が委託を受けて運営を行うことで、個人クリエイターの権利行使をより効果的に支援する体制が整備された。^[1]

本事業では文化庁が開設している相談窓口に寄せられた相談のうち、相談担当の弁護士から著作権侵害の蓋然性が高いと判断された案件を支援対象としている。支援内容は削除請求や発信者情報開示請求、損害賠償請求にかかる弁護士費用の一部を補助するもので、1件あたり上限150万円から400万円までの支援が受けられるようになった。

近年インターネット上では海賊版をはじめとする著作権侵害事案が拡大しており、個人クリエイターに大きな被害を与えている状況が続いていた。文化庁は2022年8月より弁護士による相談窓口を開設し対策を進めてきたが、今回の支援事業開始によって個人クリエイターの創作環境の改善がより一層進むことが期待されている。

著作権侵害対策支援の概要

権利行使支援事業の詳細はこちら

著作権侵害の蓋然性について

著作権侵害の蓋然性とは、ある行為が著作権を侵害している可能性が高いと判断できる状態のことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

• 著作物の無断複製や改変が明確に確認できる
• 権利者の許諾なく営利目的で利用されている
• オリジナル作品との同一性が客観的に認められる

本支援事業では文化庁が設置する相談窓口の担当弁護士が著作権侵害の蓋然性を判断する。相談窓口では個人クリエイターからの相談を受け付け、専門的な知見を持つ弁護士が事案を精査した上で支援の必要性を判断することで、より効果的な権利保護が可能になっている。

インターネット上の著作権侵害対策支援に関する考察

文化庁による個人クリエイター向けの権利行使支援事業は、増加する著作権侵害への対策として画期的な取り組みとなっている。特に費用面でのハードルが高かった法的対応が、支援制度によって現実的な選択肢となることで、個人クリエイターの権利保護がより強化されることが期待できるだろう。

ただし、インターネット上の著作権侵害は国境を越えて発生することも多く、海外のサイトやサービスに対する法的措置の実効性が課題となる可能性がある。今後は国際的な協力体制の構築や、グローバルな著作権保護の枠組みづくりにも注力する必要があるだろう。

また、著作権侵害の予防的対策として、一般ユーザーへの著作権教育や啓発活動の強化も重要となってくる。文化庁には支援事業の運用実績を踏まえた制度の改善とともに、創作活動の価値や権利保護の重要性について、より広範な理解促進を図ることが望まれる。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「SARTRAS共通目的事業「インターネット上の著作権侵害等に対する個人クリエイター等による権利行使の支援」を開始します | 文化庁のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000907.000047048.html, (参照 25-01-16).

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