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公開：2025-03-29

日立と住友化学がAIを活用した生産計画の自動立案システムを開発、エネルギー効率と生産性の向上を実現へ

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• 日立と住友化学が生産計画の自動立案システムを実用化へ
• AIを活用しエネルギー消費の低減と最適化を実現
• TSPlannerを活用し生産性向上と環境負荷低減を両立

日立と住友化学が新AIシステムで生産計画を効率化

日立製作所は住友化学の千葉工場・袖ケ浦地区における合成樹脂の生産を対象に、AIを活用した生産計画の自動立案システムの実用化に向けた検証を2025年3月から開始した。新たに開発した計画連携エンジン「TSPlanner」を活用し、生産計画の自動立案システムとエネルギー消費量の低減を支援するシステムの2つのLumadaソリューションを連携させることで、エネルギー効率を考慮した生産計画の自動立案を目指している。^[1]

本システムはAIにより、生産とエネルギーのそれぞれの計画に対して調整案を提示し、熟練者に代わって迅速に立案することが可能となった。契約電力の上限を超過しないように全体の生産計画を最適化したり、化学反応器で発生する高温の廃熱を回収し蒸気を生成して他のプロセスに共有するなど、エネルギー消費量の低減を実現している。

住友化学の千葉工場・袖ケ浦地区における事前検証では、エネルギー消費量を一定量削減できることが確認された。今後は住友化学の全国6工場についても同様の提案を検討していく予定だ。日立は本システムの導入を契機に、DXとGXの両立を推進し、脱炭素社会とフロントラインワーカーの負担軽減への貢献を目指している。

生産計画自動立案システムの特徴まとめ

Lumadaソリューションについて

Lumadaとは、お客さまのデータから価値を創出し、デジタルイノベーションを加速するための日立の先進的なデジタル技術を活用したソリューション・サービス・テクノロジーの総称を指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

• デジタルイノベーションの加速を支援
• 先進的なデジタル技術の活用
• データから価値を創出するソリューション提供

Lumadaソリューションは、ITやOT、プロダクトを併せ持つ日立の強みと、多くの顧客との協創を通じて得た豊富な知見・ノウハウを活かした革新的なソリューションとして、幅広い業種の顧客に提供されている。業務効率化やCO2排出量削減の課題に対して、計画最適化サービスや統合エネルギー・設備マネジメントサービスなど、多様なソリューションが展開されている。

AIを活用した生産計画自動立案システムに関する考察

本システムの導入により、エネルギー効率を考慮した生産計画の立案が自動化され、熟練者の経験やノウハウに依存していた業務からの脱却が期待できる。特に化学業界における大規模なエネルギー管理と複雑な生産計画の立案の両立という課題に対して、AIによる最適化は大きな breakthrough となるだろう。

一方で、システムの導入には現場の運用フローの見直しや、従来の意思決定プロセスの変更が必要となる可能性が高い。特に生産計画部門とエネルギー管理部門間での新たな連携体制の構築や、システムが提案する計画の妥当性を評価・判断するための新たなスキル育成が課題となるだろう。

将来的には本システムをベースに、需要予測や在庫管理、基幹システムとの連携強化を図ることで、より包括的なスマートファクトリーの実現が期待される。自己託送の活用やカーボンプライシングへの対応など、環境負荷低減に向けた取り組みをさらに加速させる可能性を秘めている。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「日立と住友化学、AIを活用し、エネルギー消費の低減・最適化を図る生産計画の自動立案システムの実用化に向け、実工場での検証を開始 | 株式会社 日立製作所のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000031.000141666.html, (参照 25-03-29).
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