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公開：2025-03-29

オプテージと東芝デジタルソリューションズがQKDとPQCを組み合わせた量子セキュア通信の実証に成功、高い可用性を実現

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• オプテージらがQKDとPQCを組み合わせた量子セキュア通信に成功
• パブリックブロックチェーンのノード運用で秘匿通信を実証
• 量子コンピュータ時代を見据えた通信基盤の構築を推進

量子セキュア通信の実証実験が成功、ブロックチェーンノード運用での有効性も確認

株式会社オプテージと東芝デジタルソリューションズ、フォーティネットジャパンは2025年3月28日、量子鍵配送(QKD)と耐量子計算機暗号(PQC)を組み合わせた拠点間VPNの構築に成功したことを発表した。この実証実験では、約32kmの拠点間距離を想定し、オプテージの自社回線を用いたネットワーク上で量子暗号技術を活用したIPsec-VPNを構成している。^[1]

量子コンピュータの実用化によって現在の暗号通信システムが解読される可能性が指摘されているが、QKDは量子力学的性質を利用して第三者による鍵の盗聴を確実に検知することが可能だ。一方でDoS攻撃や回線障害時の対策として、QKDとPQCを組み合わせた冗長化システムを構築し、スムーズな切り替えを実現している。

さらに本実証実験では、Web3事業におけるパブリックブロックチェーンのノード運用業務において、QKDによる量子セキュアデータ通信路上での秘密鍵情報のやり取りに成功した。高度な機密性を確保しながら、長時間大容量のデータ転送においても安定した通信品質を維持できることが確認されている。

量子セキュア通信の実証実験まとめ

量子鍵配送(QKD)について

量子鍵配送(QKD)とは、光子の量子的性質を利用して暗号鍵を共有する技術のことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

• 光子の状態変化を利用した盗聴検知が可能
• 情報理論的な安全性が数学的に証明されている
• 光ファイバーを使用した暗号鍵の共有システム

量子鍵配送は光ファイバーを使用するため、通常の光通信と同様に物理的な回線障害やDoS攻撃などのリスクが存在する。そのため本実証実験では、PQCとの組み合わせによる冗長化システムを構築することで、高い可用性と安全性を両立させている。

量子セキュア通信に関する考察

量子セキュア通信の実用化は、量子コンピュータ時代における通信インフラの安全性確保において極めて重要な意味を持つ。特にブロックチェーン技術との組み合わせは、Web3時代における高度なセキュリティニーズに応える革新的なソリューションとなる可能性を秘めているだろう。

一方で、量子セキュア通信の実用化には、システムの導入コストや運用保守の複雑さなど、解決すべき課題も残されている。特に広域ネットワークへの展開においては、光ファイバーインフラの整備や量子中継技術の確立など、技術面での更なる進展が必要となるだろう。

今後は、量子セキュア通信の標準化や相互運用性の確保、さらには量子インターネットへの発展など、新たな展開が期待される。特にハーベスト攻撃への対策として、量子コンピュータの実用化以前に堅牢なセキュリティ基盤を確立することが重要な課題となるだろう。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「オプテージと東芝デジタルソリューションズ、フォーティネットジャパンQKD(量子鍵配送)とPQC(耐量子計算機暗号) の組み合わせにより、高い可用性を持つ「量子セキュアデータ通信」に成功 | 株式会社オプテージのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000234.000051725.html, (参照 25-03-29).
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