Rapidusが2nm世代半導体の研究開発で2025年度NEDOプロジェクトの承認を取得、パイロットライン稼働へ前進
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記事の要約
- RapidusのNEDO研究開発事業で2025年度の計画・予算が承認
- 2nm世代半導体の集積化技術と短TAT製造技術の研究開発を推進
- チップレットパッケージ設計・製造技術の開発も同時に進行
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Rapidusの2nm世代半導体研究開発が新段階へ
Rapidus株式会社は2025年4月1日、NEDOの「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」における2nm世代半導体の研究開発について2025年度の計画と予算の承認を受けたことを発表した。承認された事業には「日米連携に基づく2nm世代半導体の集積化技術と短TAT製造技術の研究開発」と「2nm世代半導体のチップレットパッケージ設計・製造技術開発」の2つのプロジェクトが含まれている。[1]
北海道千歳市に建設された製造拠点IIMでは、2024年度までにEUV露光装置をはじめとする製造装置の設置とクリーンルームの稼働を完了し、目標を達成している。米IBM社へのエンジニア派遣による2nm世代ロジック半導体の量産技術開発も順調に進展しており、計画通りの性能達成を実現している。
後工程に関連する「2nm世代半導体のチップレットパッケージ設計・製造技術開発」では、米IBMや独Fraunhofer、シンガポールのA⋆STAR IMEとの国際連携により開発を推進している。セイコーエプソン千歳事業所内には半導体後工程の研究開発拠点「Rapidus Chiplet Solutions」を設置し、2024年10月から稼働準備を進めている。
2nm世代半導体研究開発の進捗状況
前工程開発 | 後工程開発 | |
---|---|---|
研究開発拠点 | IIM(千歳市) | RCS(セイコーエプソン千歳事業所内) |
主要パートナー | IBM | IBM、Fraunhofer、A⋆STAR IME |
現在の状況 | 製造装置設置完了 | 稼働準備中 |
次期目標 | パイロットライン稼働 | 製造装置導入開始 |
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GAAトランジスタについて
GAAトランジスタとは、Gate-All-Around(ゲートオールアラウンド)の略称で、半導体製造における最先端のトランジスタ構造を指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。
- チャネル部分を完全にゲート電極で囲む革新的な構造
- 従来のFinFETと比較して電流制御性が向上
- 2nm世代の半導体製造に不可欠な技術
Rapidusの研究開発では、300mmウェーハ上にGAAトランジスタを形成する試作開発を進めており、先行顧客向けのPDKリリースも計画している。この技術は次世代半導体製造の中核を担うものであり、日本の半導体産業の競争力強化に重要な役割を果たすことが期待されている。
2nm世代半導体開発に関する考察
Rapidusの2nm世代半導体開発は、日本の半導体産業における技術力の再構築という観点で重要な意味を持っている。特にIBMとの技術提携や国際的な研究機関との連携は、最先端技術の獲得と知見の蓄積において大きな利点となるだろう。
一方で、半導体製造における前工程と後工程の両方を同時に開発することは、技術的な複雑さとリソース配分の観点で大きな課題となる可能性がある。特に量産化に向けては、製造プロセスの安定化とコスト競争力の確保が重要な焦点となるだろう。
2027年の量産開始に向けて、パイロットラインでの技術検証と製造プロセスの最適化が重要な鍵を握っている。特にGAAトランジスタの歩留まり向上とチップレットパッケージング技術の確立は、事業の成否を左右する重要な要素となるはずだ。
参考サイト
- ^ Rapidus. 「NEDO、Rapidusの「日米連携に基づく2nm世代半導体の集積化技術と短TAT製造技術の研究開発」、および「2nm世代半導体のチップレットパッケージ設計・製造技術開発」の2025年度の計画・予算を承認 - Rapidus株式会社」. https://www.rapidus.inc/news_topics/news-info/nedo-fy2025-approval/, (参照 25-04-03). 3712
- IBM. https://www.ibm.com/jp-ja
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