バイオネット研究所がマルチカメラ腰痛予防システムを開発、都立大学との共同研究で労働災害対策に新展開

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

PR TIMES より

記事の要約

株式会社バイオネット研究所は、都立大学との共同研究として「マルチカメラによる腰痛予防システム」の開発を2025年4月15日より開始することを発表した。TOKYO戦略的イノベーション促進事業に採択された本システムは、2025年から2027年度の3年間で開発が進められる予定である。^[1]

高齢就業者の増加に伴い深刻化する腰痛問題に対応するため、最大10m×10mの領域の4隅にカメラを設置して作業者の姿勢を立体的に検知するシステムを構築する。センサーの装着が不要で複数作業者の姿勢を同時に計測できる特徴を持ち、作業負荷の可視化と警告機能を実現するものだ。

本システムではPosCheck-101の技術を活用し、背中の傾きや手の位置など詳細な姿勢データをリアルタイムで数値化して表示する。危険な領域への接近を検知する機能も備えており、将来的には工場全体の人の動きの把握や介護施設での転倒検知などへの応用も視野に入れている。

エルゴノミクスとは、人間工学とも呼ばれ、作業環境や機器を人間の特性に合わせて設計・改善する学問分野のことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

労働現場における腰痛問題に関して、エルゴノミクスの観点から作業姿勢を評価・改善することは極めて重要である。2023年時点で65歳以上の就業者が914万人に達する中、高齢者の労働災害予防においてエルゴノミクスの実践は不可欠な要素となっている。

本システムの優れた点として、センサ装着が不要な非接触での計測が可能であることと、複数作業者の同時モニタリングができる点が挙げられる。高齢就業者の増加に伴い腰痛による労働災害が深刻化する中、客観的なデータに基づく予防対策を実現できる可能性が高いだろう。

一方で、システムの導入には作業現場の環境整備や従業員のプライバシーへの配慮が必要となる。カメラによる常時監視に対する心理的な抵抗感を軽減するため、データの取り扱いに関する明確なガイドラインの策定と、従業員への丁寧な説明が求められるだろう。

将来的な展望として、AIによる動作分析の高度化や、他のIoTデバイスとの連携による総合的な労働環境モニタリングシステムへの発展が期待される。介護施設での転倒防止や工場での作業改善など、応用範囲の拡大による労働安全衛生の向上が見込まれる。

^ PR TIMES. 「「マルチカメラによる腰痛予防システム」がTOKYO戦略的イノベーション促進事業に採択されました | 株式会社バイオネット研究所のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000137535.html, (参照 25-04-16).

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