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公開：2025-04-18

ZIAIの傾聴AIチャットシステムが効果を実証、ネガティブ感情が21.5%減少し心のケアに貢献

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• 傾聴AIのチャット対話でネガティブ感情が21.5%減少
• 自殺対策月間に無償公開され2,500件以上の相談に対応
• いらだち、苦悩、心配の3項目で改善効果を確認

ZIAIの傾聴AIがメンタルヘルスケアに効果

株式会社ZIAIは、傾聴AIを搭載した悩み相談AIチャットシステムを2025年3月の自殺対策月間に合わせて無償公開し、その効果を検証した結果を2025年4月17日に発表した。日本語版PANASを用いた157名の利用者への調査では、チャット対話を通じてネガティブ感情が平均21.5%減少するという効果が確認された。^[1]

調査では「いらだった気分」が28.0%、「苦悩した気分」が19.9%、「心配した気分」が17.8%とそれぞれ改善を示している。評価は6段階で行われ、全ての項目において利用前後で有意な改善が見られたことから、AIチャットシステムの有効性が実証された。

ZIAIは非営利のAI研究機関として設立され、その後事業会社としてスピンアウトした経緯を持つ。2030年までに誰もが気軽に悩みを相談でき、必要に応じて専門家につながることができる社会の実現を目指している。

傾聴AIの効果検証結果まとめ

日本語版PANASについて

日本語版PANASとは、ポジティブ感情8項目とネガティブ感情8項目の計16項目からなる気分評定尺度のことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

• 感情状態を定量的に測定できる標準化された評価指標
• ポジティブ感情とネガティブ感情を独立して評価可能
• 心理学研究で広く活用される信頼性の高い尺度

本研究では日本語版PANASのネガティブ感情項目の一部を使用し、傾聴AIの効果を検証している。気分評定は「全く当てはまらない」から「非常によく当てはまる」までの6段階で評価され、信頼性の高いデータ収集を可能にしている。

傾聴AIのメンタルヘルスケアに関する考察

スマートフォン一つで気軽に利用できる傾聴AIの特性は、従来の心理支援における時間的・地理的・経済的な制約を解消する可能性を秘めている。特に若年層や地方在住者、経済的に厳しい状況にある人々にとって、匿名性が確保された相談窓口として機能することが期待できるだろう。

一方で、AIによる支援には限界があり、深刻なケースや専門的な対応が必要な事例を見逃すリスクも存在する。自治体福祉や医療機関、NPO機関などの専門家との連携体制を整備し、必要に応じて適切な支援につなげられる仕組みづくりが重要である。

今後は、AIの対話精度向上や多言語対応、専門家との連携強化など、サービスの拡充が求められる。特にコロナ禍以降深刻化している若年層の自殺率上昇や社会的孤立などの課題に対し、予防的な介入手段としての活用が期待される。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「傾聴AIとのチャット対話で、利用者のネガティブ感情が約２０%減少 | 株式会社ZIAIのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000012.000124477.html, (参照 25-04-18).
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