経営

MANAGEMENT

公開：2025-04-30

Green CarbonがベトナムNghe An省で水田プロジェクトを展開、Gold Standard認証で日本企業初の快挙達成

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• Green CarbonがGold Standard第1号案件として水田プロジェクトを登録
• ベトナムNghe An省で62,000haの水田でAWD技術を導入
• 10年間で約250万トンのカーボンクレジット創出を目指す

ベトナムの水田プロジェクトがGold Standard認証を取得

Green Carbon株式会社は2025年4月中旬、ベトナム北中部Nghe An省における水田のAWD導入によるメタンガス削減プロジェクトが、Gold Standardにベトナム初かつ日本企業初のプロジェクトとして正式に受理されリスト化されたことを発表した。プロジェクトでは灌漑設備を有する広域水田においてAWD技術の導入を進めており、パイロット圃場での実証を既に完了している。^[1]

本プロジェクトは2024年度からベトナムでの活動を開始しており、Nghe An Agricultural Market Forumと農業由来の脱炭素活動の奨励およびカーボンクレジット創出に関する包括的な連携を締結してきた。対象面積を約62,000haまで拡大し、2034年までの10年間で累計約250万トンのカーボンクレジットの創出を目標としている。

Green Carbonは2025年4月1日にはベトナム南部An Giang省での水田プロジェクトがVerraでも受理されリスト化されており、Gold StandardとVerraの両方で水田プロジェクトをリスト化した世界初の企業となった。AWD技術の導入により水使用量の大幅削減と収量の維持・向上が実証されており、今後はさらなる展開を進める。

水田プロジェクトの概要

AWDについて

AWDとは間断灌漑（Alternate Wetting and Drying）の略称で、水田の水位を目安に数日おきに入水と自然乾燥を繰り返す農法のことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

• 水田からのメタンガス排出量を削減可能
• 水資源の有効利用と持続可能性の向上
• 病害リスクの低減と収量の維持・向上

AWD技術はベトナム政府が推進する100万haプロジェクトにおいても重要な役割を果たしており、2030年までにメコンデルタ地域の水田100万haで環境負荷の少ない稲作の普及を目指している。Green Carbonは現在22省でMOUを締結し、プロジェクトの開発を実施している。

ベトナムの水田プロジェクトに関する考察

Green CarbonによるAWD技術の導入は、農業分野における環境負荷低減と生産性向上の両立を実現する画期的な取り組みとなっている。特にベトナムの水田農業において、水資源の効率的な利用とメタンガス排出削減を同時に達成できる点は、持続可能な農業の実現に向けた重要な一歩となるだろう。

今後の課題として、AWD技術の導入にあたっては農家の理解と協力が不可欠であり、技術指導や収益性の向上に関する具体的な支援策の確立が必要となる。また、カーボンクレジットの創出・販売による収益を、いかに農家の所得向上に結び付けていくかという点も重要な検討事項となっている。

ベトナム政府の100万haプロジェクトとの連携を通じて、環境に配慮した農業生産システムの構築と農家の経済的基盤の強化が期待される。さらに、日本の品質基準に適合したジャポニカ米の生産・輸出体制の確立により、日本の米不足問題の解決にも貢献することが見込まれる。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「【日本企業初】Gold Standard第1号案件 ベトナム北中部Nghe An省の水田プロジェクトの申請が受理されリスト化 10年間で約250万トンのボランタリークレジットを創出 | Green Carbon株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000160.000117956.html, (参照 25-04-30).
5600

※上記コンテンツはAIで確認しておりますが、間違い等ある場合はコメントよりご連絡いただけますと幸いです。

「経営」に関するコラム一覧「経営」に関するニュース一覧