エスクローとは？意味をわかりやすく簡単に解説

text: XEXEQ編集部

エスクローとは

エスクローとは、取引の安全性を確保するために第三者（エスクローエージェント）が取引の履行までの間、資金や資産を預かり管理するサービスです。不動産取引やM&A（合併・買収）、国際貿易など、高額かつ複雑な取引において、売り手と買い手の間の信頼関係を構築する重要な仕組みとなっています。

エスクローサービスを利用することによって、買い手は商品やサービスを受け取るまで代金を支払う必要がなく、売り手は代金の支払いが確実になるまで商品やサービスを提供しなくてもよいという安心感を得られます。このような相互保護の機能が、オンライン取引など直接対面しない取引でも活用されています。

日本ではエスクローサービスは主に不動産取引や国際取引で利用されていますが、欧米では一般的な商取引においても広く普及しています。エスクローエージェントとしては、銀行や信託会社、弁護士事務所、専門のエスクロー会社などが第三者機関として機能し、取引の公正性と安全性を担保しています。

「エスクロー契約における重要なポイント」に関して、以下を解説していきます。

エスクロー手数料の仕組みは取引金額や取引の種類によって異なり、一般的には取引金額の0.5%〜2%程度が相場となっています。不動産取引では取引金額が大きいため定額制を採用しているケースも多く、エスクローエージェントが提供するサービス内容によって料金体系が変わることも珍しくありません。

手数料の負担者は契約時に明確に取り決める必要がありますが、買い手と売り手で折半するケースや、業界慣行によって片方が全額負担するケースもあります。国際取引においては為替リスクを考慮した料金設定がなされることもあるため、事前に複数のエスクローサービス会社から見積もりを取得することをお勧めします。

エスクロー契約においても様々なリスクが存在するため、信頼できるエスクローエージェントの選定が最も重要なリスク対策となります。特に金融機関のライセンスを持つエージェントや、長期間の実績がある企業を選ぶことによって、資金の安全性をより高めることができるでしょう。

契約書の内容を精査し、資金の保管方法や解除条件、紛争解決の手続きなどを明確にしておくことも重要です。また国際取引においては、準拠法や管轄裁判所についても事前に合意しておくことが望ましく、取引相手との意思疎通を綿密に行うことで、契約解釈の相違によるトラブルを未然に防止できます。