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公開：2025-05-05

NTT ArtTechnologyが成田空港で葛飾北斎の冨嶽三十六景をデジタル展示、訪日客の地方送客を促進

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• NTT ArtTechnologyが成田空港で北斎作品を展示
• 冨嶽三十六景全47図をデジタルデータで公開
• 海外旅行客の地方送客を促進する取り組み

成田空港での葛飾北斎デジタル展示の開催

株式会社NTT ArtTechnologyは、成田国際空港からの委託を受けて成田空港第2ターミナルにて葛飾北斎の冨嶽三十六景の高精細デジタルデータによる展示を2025年5月1日より開始した。海外からの来訪者に冨嶽三十六景の魅力を伝え、作品に描かれた地域や所蔵元である山梨県立博物館への送客を促進する取り組みを展開している。^[1]

NTT ArtTechnologyは、ICTを活用した分散型デジタルミュージアム構想の実現を目指しており、アルステクネと連携して推進するDigital×北斎プロジェクトの一環として本展示を実施することになった。2024年1月から2月にかけて実施された第2ターミナルサテライトでの展示が好評を博したことから、入国手続き前エリアでの展示が決定したのである。

展示期間は2025年5月1日から9月30日までの約5ヶ月間で、山梨県立博物館所蔵の冨嶽三十六景全47図を高精細デジタルデータとしてプロジェクターで投影する。縦1.35m×横2.0mという大きさで投影され、原画の約28倍の面積で作品の細部まで鑑賞することが可能となっている。

葛飾北斎デジタル展示の概要

デジタルミュージアムについて

デジタルミュージアムとは、ICTを活用して文化芸術作品をデジタル技術で再現し、様々な場所で展示・鑑賞できるようにした新しい形態の美術館のことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

• 場所や時間の制約を受けずに芸術作品を鑑賞可能
• 高精細デジタル技術による作品の細部まで鑑賞可能
• 原画の保護と文化の普及を両立

山梨県立博物館所蔵の冨嶽三十六景は、その良好な品質と保存状態から新千円札や新パスポートの元絵として選定されている日本有数のコレクションである。アルステクネの特許技術「三次元質感画像処理技術」を活用することで、原画の質感までも忠実に再現することが可能となった。

デジタル展示による文化発信に関する考察

デジタル技術を活用した文化芸術作品の展示は、作品の保護と公開の両立という課題を解決する画期的な方法として注目されている。特に成田空港という日本の玄関口での展示は、海外からの来訪者に日本文化の魅力を効果的に伝える手段として高い価値を持つだろう。

今後の課題として、デジタル展示と実物展示の相乗効果をいかに生み出すかという点が挙げられる。デジタル展示で興味を持った来訪者を実際の展示施設への誘導につなげる仕組みづくりが重要になってくるはずだ。送客を成功させるためには、交通アクセスの整備や多言語対応の充実も必要となるだろう。

将来的には、VRやARなどの最新技術との融合により、より没入感のある展示体験の提供も期待される。文化財のデジタルアーカイブ化を進めることで、日本の文化芸術をグローバルに発信する基盤が整っていくものと考えられる。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「成田空港にて高精細デジタルデータによる葛飾北斎「冨嶽三十六景」の展示を実施 | 株式会社NTT ArtTechnologyのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000005.000142338.html, (参照 25-05-05).
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