AI

エーアイ

公開：2024-12-09

日医工と富士通が医薬品製造現場でAIを活用した共同実証実験を開始、作業品質の向上と技術者育成の効率化を目指す

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• 日医工と富士通がAIを活用した医薬品製造DXの共同実証実験を開始
• Fujitsu Kozuchi for Visionによる無菌室作業の漏れ検知を実施
• OTRSとOTRS+AIで製造技術者の早期育成を目指す

日医工と富士通、AIを活用した医薬品製造現場の実証実験を開始

日医工株式会社と富士通株式会社は2024年12月5日、医薬品製造現場における無菌室の入退室時の作業漏れ検知と製造技術者の早期育成に向けた共同実証実験の実施を発表した。本実証実験では富士通の行動分析AIサービス「Fujitsu Kozuchi for Vision」とブロードリーフの作業分析・業務最適化ソリューション「OTRS」「OTRS+AI」を組み合わせて活用している。^[1]

日医工の医薬品製造工程における作業漏れ検知の高度化とベテラン技術者のノウハウ継承による技術者の早期育成に焦点を当てた実証実験は、日医工の岐阜工場にて2024年11月19日から12月20日までの予定で実施されている。この取り組みでは無菌製剤の製造過程における適正かつ標準化された作業の確実な実施を目指すものだ。

実証実験では無菌室の入口に設置された監視カメラの映像データから入退室時の作業状況をリアルタイムに分析し、技術者の作業漏れを検知する仕組みを構築している。検知結果の通知方法についてはアラーム音や警告ライトの点滅による喚起、スマートフォンの活用など、様々な手法が検討されているところである。

AIを活用した医薬品製造DXの実証実験概要

行動分析AIサービスについて

行動分析AIサービスとは、人の動作をリアルタイムに検知・分析する技術を活用したソリューションのことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

• リアルタイムでの作業漏れ検知が可能
• 標準化された作業の順序性確認に対応
• 作業映像の自動分節化と分析が可能

富士通の行動分析AIサービス「Fujitsu Kozuchi for Vision」は、検出が難しい作業の切れ目を精度よく検出する特許出願済みの技術を搭載している。この技術により、一連作業の要素作業を切れ目ごとに順序性をもって確認することで、リアルタイムな検知を実現することが可能だ。

医薬品製造DXに関する考察

医薬品製造現場におけるAI活用は、作業品質の向上と人材育成の効率化という二つの重要な課題解決に寄与する可能性を秘めている。特に無菌製剤の製造過程では、一つの作業漏れが製品の品質に重大な影響を及ぼす可能性があるため、AIによるリアルタイムな作業検知は非常に有意義な取り組みとなるだろう。

技術者の早期育成においては、ベテラン技術者のノウハウを効率的に継承できる仕組みの構築が重要な鍵を握っている。AIによる作業分析と可視化技術の活用は、従来の育成方法と比較して大幅な時間短縮とコスト削減をもたらす可能性を秘めているものの、個々の技術者の特性に応じた柔軟な育成プログラムの開発が今後の課題となるだろう。

医薬品の安定供給という社会的な要請に応えるためには、製造現場のDXを着実に進めていく必要がある。今回の実証実験の成果を基に、より多くの製薬企業でAIを活用した製造プロセスの最適化が進むことで、業界全体の生産性向上と品質管理の強化につながることが期待できるだろう。

参考サイト

1. ^ FUJITSU. 「日医工と富士通、AIの活用により医薬品製造DXへの取り組みを推進 : 富士通」. https://pr.fujitsu.com/jp/news/2024/12/5.html, (参照 24-12-09).

※上記コンテンツはAIで確認しておりますが、間違い等ある場合はコメントよりご連絡いただけますと幸いです。

「AI」に関するコラム一覧「AI」に関するニュース一覧