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公開：2024-12-09

ヤマサが産学連携でAIドローン鳥獣被害対策ソリューションの開発に成功、3Dマップを活用した自動飛行システムを実現

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• ヤマサがAIとドローン活用の鳥獣被害対策ソリューションの実証実験に成功
• 3Dマップを基礎とした自動飛行と威嚇行動の実証に成功
• 2024年2月に害獣駆除システムの特許を取得

ヤマサのAIドローン鳥獣被害対策ソリューションの開発進展

ヤマサは信州大学工学部設計工学研究室と長野県松本工業高等学校との産学連携で、次世代鳥獣被害対策ソリューションの実証実験を2024年12月9日に公開した。AIとドローンを組み合わせた新しい鳥獣被害対策ソリューションでは、屋内の3Dマップを活用した自動飛行システムと威嚇行動の実証に成功している。^[1]

このソリューションは主に食糧倉庫でのネズミ被害の低減を目的としており、AIによる検知から自動飛行までの一連の処理を実現することに成功した。ネズミは経済的被害だけでなく鳥インフルエンザなどの家畜伝染性疾病の媒介者としても知られており、このシステムによってより効果的な対策が可能になるだろう。

また、2024年2月29日には「特許第7445909号 害獣駆除システムおよび害獣駆除プログラム」として特許を取得している。実証実験では3次元点群データを活用した最適飛行経路の生成や、AIの検知座標を元にした自動飛行の実行に成功しており、今後は実用化に向けた取り組みを進めていく。

AIドローン鳥獣被害対策ソリューションの開発体制まとめ

飛行経路最適化について

飛行経路最適化とは、3次元空間内で目的地までの最も効率的な経路を算出する技術のことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

• 障害物を考慮した安全な飛行ルートの自動生成
• 3次元点群データを活用した空間認識
• 遺伝的アルゴリズムによる最適解の導出

本プロジェクトでは信州大学工学部が担当し、iPadを用いた低コストな点群データ作成や遺伝的アルゴリズムを用いた最適経路導出を実現した。AIの検知座標から3次元座標への変換や、複数の経路候補からの最適経路選択など、高度な技術開発が行われている。

ヤマサのAIドローン鳥獣被害対策ソリューションに関する考察

AIとドローンを組み合わせた害獣駆除システムは、従来の対策方法と比較して自動化と効率化の点で大きな進歩を遂げている。特にネズミによる被害は食品衛生や設備損傷など多岐にわたる問題を引き起こすため、このような技術革新は業界全体にとって重要な一歩となるだろう。

一方で、実用化に向けては屋内での正確な飛行制御やドローンの騒音対策、長時間運用時のバッテリー管理など、いくつかの技術的課題が残されている。これらの課題に対しては、より高度なセンサー技術の導入や静音性の高いドローンの開発、自動充電システムの構築などが解決策として考えられる。

将来的には、画像認識の精度向上や複数ドローンの連携制御、気象条件に応じた飛行パターンの最適化など、より高度な機能の追加が期待される。産学連携による技術開発の継続と、実際の現場からのフィードバックを活かした改良を重ねることで、より実用的なソリューションに進化していくことだろう。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「屋内の3Dマップを基礎とした、AIとドローンを組み合わせた鳥獣被害対策ソリューションの開発に一歩前進 | 株式会社ヤマサのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000009.000098456.html, (参照 24-12-09).

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