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公開：2024-12-19

フライアイレンズを活用した光無線給電システムの開発が進行、自動車や宇宙分野での実用化に期待

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• 五鈴精工硝子がフライアイレンズを光無線給電システムに活用
• フライアイレンズによって光無線給電の発電効率が向上
• 自動車や宇宙での光無線給電システムの実用化に期待

フライアイレンズを活用した光無線給電システムの開発が進行

五鈴精工硝子は光学ガラスレンズの主力製品であるフライアイレンズを光無線給電システムの発電効率向上に活用することを2024年12月17日に発表した。フライアイレンズは光源からの光をムラなく均一化する特性を持ち、金型を用いた一体成型による量産が可能になっているため、光無線給電システムの実用化に大きく貢献することが期待されている。^[1]

フライアイレンズを活用した光無線給電システムは、IoTデバイスや小型ドローンへの給電、自動車の走行中充電、水中での給電など幅広い用途での活用が検討されている。特に自動車への走行中給電では10kW程度のレーザーを使用することで、電気自動車のバッテリー搭載量を現行の1/10程度に抑えることが可能になると見込まれている。

光無線給電システムの実用化に向けて、大手通信各社も検討やアプリケーションへの展開を進めており、2025年1月にはアメリカ・カリフォルニアで開催される「Photonics West2025」での論文発表やカンファレンスが予定されている。フライアイレンズの製造・開発を手がける五鈴精工硝子のアメリカ営業所も本展示会に出展を予定している。

光無線給電システムの応用分野まとめ

光無線給電システムについて

光無線給電システムとは、光源から射出された光ビームを空間伝送して受光器で電気エネルギーに変換する給電方式のことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

• 電線やケーブル、コンセントが不要で設置場所の自由度が高い
• LEDやレーザーなどの光源から長距離伝送が可能
• 高出力な電力伝送に対応可能

光無線給電システムは従来の電磁誘導式の無線給電と比較して、設置コストの削減と伝送距離の拡大が可能である。道路に多量のコイルを埋め込む必要がない点や設置間隔を100メートル以上に広げられる点から、特に自動車への走行中給電での活用が期待されている。

光無線給電システムの実用化に関する考察

光無線給電システムの実用化において最も重要な点は、フライアイレンズによる光の均一化技術と発電効率の向上である。複数の光源を用いる高出力環境下でも安定した給電が可能になることで、IoTデバイスや自動車、水中機器など様々な分野での実用化が加速すると考えられる。

今後の課題として、製品化に向けた部品や装置を製造する企業の参入促進が挙げられる。大手通信各社による検討やアプリケーション展開が進められているものの、実用化には製造エコシステムの確立が不可欠だ。さらに水中や宇宙空間での使用に向けた技術検証も必要になるだろう。

光無線給電システムの将来性は非常に高く、特に自動車分野での活用が期待される。現状では倉庫内の小型運搬車での実証実験が先行しているが、今後は電気自動車への本格導入に向けた技術開発と実証実験が加速するはずだ。光無線給電システムの進化が新たなモビリティ社会の実現を後押しすることになるだろう。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「光が広げる可能性　有線から無線に転換　「光無線給電システム」の発電効率アップを助けるフライアイレンズ | 株式会社五鈴精工硝子のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000142861.html, (参照 24-12-19).

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