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公開：2025-02-14

ロームのEcoGaNがMurata Power SolutionsのAIサーバー向け電源に採用、高効率化と小型化を実現へ

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• ロームのEcoGaNがMurata Power SolutionsのAIサーバー向け電源に採用
• 650V耐圧GaN HEMTが電源の高効率化と小型化に貢献
• 2025年から5.5kW出力の電源ユニットの量産開始予定

ロームのEcoGaNがAIサーバー向け電源の性能向上を実現

ローム株式会社は2025年2月13日、EcoGaN製品である650V耐圧のTOLLパッケージGaN HEMTが、村田製作所グループのMurata Power SolutionsのAIサーバー向け電源に採用されたことを発表した。このGaN HEMTは低損失動作と高速スイッチング性能を実現し、5.5kW出力のAIサーバー向け電源ユニットの高効率化と小型化に大きく貢献している。^[1]

近年のAIやARなどIoT分野の進化に伴い、世界的なデータ通信量が急増している状況において、AIによる電力消費量は通常のインターネット検索の数倍に達することが明らかになっている。GaNデバイスは低オン抵抗と高速スイッチング性能を特長としており、電源の高効率化とインダクタなどの周辺部品の小型化に大きく寄与するものとして期待が高まっている。

Murata Power SolutionsのAIサーバー向け電源ユニットは、GaN HEMTの採用により高効率かつ高電力密度な設計を実現している。高速スイッチング動作と低い寄生容量、ゼロ逆回復などの特性により、スイッチング損失を最小限に抑え、磁気部品のサイズ縮小を可能にしたことで、2025年からの量産開始に向けて着実な進展を見せている。

EcoGaN採用による電源の主な特徴まとめ

GaN HEMTについて

GaN HEMT（Gallium Nitride High Electron Mobility Transistor）は、窒化ガリウムを用いた高電子移動度トランジスタのことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

• 低オン抵抗による電力損失の低減
• 高速スイッチングによる効率向上
• 小型化と高性能化の両立が可能

GaN HEMTは従来のシリコンデバイスと比較して優れた特性を持ち、特に電源の高効率化において重要な役割を果たしている。AIサーバーなどの高負荷システムにおいて、電力効率の改善と小型化を同時に実現できる次世代パワーデバイスとして注目を集めている。

EcoGaNのAIサーバー向け電源採用に関する考察

AIサーバー向け電源へのEcoGaNの採用は、データセンターの電力効率改善という観点で重要な意味を持っている。特にAIの電力消費量が従来のインターネット検索の数倍に達する現状において、GaN HEMTによる電源の高効率化は運用コストの削減に大きく貢献することが期待できるだろう。

今後の課題として、GaNデバイスの更なる性能向上と信頼性の確保が挙げられる。高速スイッチング時のノイズ対策や熱管理などの技術的課題に対して、製造プロセスの最適化や新しいパッケージング技術の開発が必要となってくるだろう。

電力需要の増加に伴い、省エネルギー技術の重要性は一層高まっていくことが予想される。GaNデバイスの進化は、データセンターのエネルギー効率改善に大きく貢献する可能性を秘めており、今後のイノベーションが期待される分野となっている。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「ロームのEcoGaN™が、村田製作所グループであるMurata Power SolutionsのAIサーバー向け電源に採用 | ローム株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000059.000062988.html, (参照 25-02-14).

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