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公開：2025-04-03

日本郵船がPolaris.AIと共同開発したRAGアプリケーションで船舶管理文書の検索効率が向上

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• 日本郵船がPolaris.AIとRAGアプリケーション開発を推進
• 船舶管理文書の検索効率化と回答精度80%以上を実現
• UI/UX改善により船舶選択機能や参照元明示機能を実装

日本郵船がPolaris.AIと共同でRAGアプリケーションを開発

東大松尾研発のスタートアップPolaris.AIは、日本郵船との船舶管理に関するRAGアプリケーション開発プロジェクトを2025年4月2日に発表した。このプロジェクトでは10万ページを超える船舶管理ドキュメントの効率的な検索と回答生成を実現し、当初60%程度だった回答精度を80%以上まで向上させることに成功している。^[1]

Polaris.AIの採用理由として、生成AIに関する深い技術的知見、日本郵船内での開発環境構築への柔軟な対応、そして経営陣の熱意が挙げられている。特に機密性の高いデータを扱う必要があったため、内製化への対応が可能だったことが大きな決め手となったのである。

船舶管理における完成図書は数百冊に及び、本船のオペレーションや分解整備の手順を確認する際に必須となる重要文書である。RAGアプリケーションの導入により、現場での実用性を高めるためのUI/UX改善として、表示速度の向上や船舶選択機能、参照元の明示などが実現されることになった。

RAGアプリケーション開発プロジェクトの概要

RAGについて

RAG（Retrieval Augmented Generation）とは、登録したドキュメントに対して生成AIを活用することで情報検索を可能にする仕組みのことである。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

• 大量のドキュメントから効率的な情報検索が可能
• 生成AIを活用した高精度な回答生成
• 既存の文書データベースとの連携による業務効率化

船舶管理における完成図書のような専門的な文書でも、RAGを活用することで必要な情報へ素早くアクセスすることが可能となる。特に日本郵船のケースでは、10万ページを超える大量のドキュメントから必要な情報を効率的に検索できるようになった。

船舶管理RAGアプリケーションに関する考察

本RAGアプリケーションの開発は、海運業界における文書管理のデジタル化という点で画期的な取り組みといえるだろう。特に完成図書のような専門性の高い文書群に対して80%以上の回答精度を実現したことは、今後の展開に期待が持てる成果である。

今後の課題として、図面やダイアグラムなどの非テキストデータの処理精度向上が挙げられる。これらの複雑な情報を適切に解析し、より正確な回答を生成できるようになれば、船舶管理業務の効率化がさらに進むことが期待できるだろう。

RAGアプリケーションの発展により、海事関連の専門用語や業界特有の知識をAIが適切に理解し処理できるようになることが望まれる。将来的には他の海運会社への展開や、異なる産業分野における類似システムの開発にも影響を与える可能性がある。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「海運事業大手の日本郵船、東大松尾研発スタートアップのPolaris.AIと船舶管理に関するRAGアプリケーションの開発を推進 | Polaris.AI株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000013.000125583.html, (参照 25-04-03).
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