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公開：2025-04-10

JR東日本が上越新幹線で顔認証改札の実証実験へ、2025年秋から新潟駅と長岡駅で開始しウォークスルー化目指す

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• JR東日本が上越新幹線で顔認証改札の実証実験を予定
• 新潟駅・長岡駅で2025年秋から、定期券利用者が対象
• 将来的なウォークスルー改札の実現を目指す取り組み

JR東日本、上越新幹線で顔認証改札機の実証実験を2025年秋から開始予定

東日本旅客鉄道株式会社（JR東日本）は2025年4月8日、中長期ビジネス成長戦略「Beyond the Border」に基づき推進する「Suica Renaissance」の一環として、上越新幹線の新潟駅と長岡駅において顔認証技術を用いた改札機の実証実験を2025年秋頃から開始すると発表した。この取り組みは、切符の投入やICカードのタッチといった従来の改札通過プロセスを不要にする「ウォークスルー改札」の実現に向けた検討の一環であり、利用者の利便性向上を主要な目的としている。^[1]

実証実験の期間は2025年秋頃から2026年春頃までを予定しており、実施場所は新潟駅の新幹線東改札と長岡駅の新幹線改札で、各駅に1通路ずつ顔認証改札機が設置される計画となっている。対象者は、新潟駅と長岡駅の区間を含む新幹線定期券「Suica FREX」または「Suica FREXパル」を所持している顧客の中からモニター参加者を募集する形式をとり、募集方法などの詳細については2025年夏頃に改めて案内される見込みだ。

今回の実証実験では、顔認証技術そのものの精度確認に加え、設置環境、例えば改札周辺の照度やカメラの角度、温湿度といった外的要因が認証精度に与える影響についても詳細な検証が行われる予定である。さらに、利用者が改札機を通過する際の歩行速度やカメラとの適切な距離、改札機本体と顔認証センサー間の連携動作なども重要な評価項目とされており、JR東日本メカトロニクス、日本電気、パナソニック コネクトの3社が共同開発者として参画している。

顔認証改札機実証実験の概要まとめ

JR東日本の公式サイトはこちら

ウォークスルー改札について

ウォークスルー改札とは、利用者が改札ゲート前で立ち止まったり、切符やICカードを機器に接触させたりすることなく、歩きながらスムーズに認証を完了させて通過できる先進的な自動改札システムを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

• 利用者の改札通過における物理的な操作（投入、タッチ）が不要
• 顔認証、QRコード、スマートフォン連携など多様な認証技術の適用可能性
• 手荷物が多い利用者、ベビーカーや車椅子利用者などの通行円滑化への貢献

このウォークスルー改札システムは、従来の自動改札機と比較して一人あたりの改札通過時間を短縮できるため、駅構内の混雑緩和や利用者のストレス軽減に大きく寄与すると期待されている革新的な技術である。JR東日本では、今回の上越新幹線における顔認証技術を用いた実証実験を皮切りに、将来的には対象者やエリアの拡大を検討しており、さらに2027年春頃には在来線において顔認証以外の技術を活用した実証実験も計画するなど、今後10年以内での本格的なウォークスルー改札の実現を目指している。

JR東日本の顔認証改札実証実験に関する考察

JR東日本が「Suica Renaissance」構想の一環として、上越新幹線で顔認証改札の実証実験を開始する計画は、鉄道利用における利便性向上と将来の駅運営の効率化に向けた重要な一歩として非常に高く評価されるべきであろう。特に、大きな荷物を持つ旅行者やベビーカー利用者など、従来のタッチ式改札で手間取ることがあった層にとっては、ハンズフリーで通過できるウォークスルー改札の実現は大きな福音となり、より快適な移動体験の提供に直結するはずだ。

しかしながら、顔認証技術の導入には解決すべき課題も存在しており、その中でも特に重要なのが認証精度とプライバシー保護の問題であり、例えば、マスク着用時や照明条件が悪い環境下での認識率の低下、あるいは登録された顔データという極めてセンシティブな個人情報の管理体制に対する懸念は無視できない。これらの問題への対応が不十分な場合、システムの信頼性低下や利用者不安の増大を招き、円滑な導入の妨げとなる可能性があるため、慎重な検討と対策が必要である。

考えられる解決策としては、多様な条件下での徹底的な実証実験による認証アルゴリズムの継続的な改善と、顔データの暗号化、アクセス権限の厳格な管理、データ利用に関する透明性の高い情報公開などが挙げられ、利用者が安心してシステムを利用できる環境整備が不可欠となるだろう。今後は、今回の定期券利用者に限定した実験から得られた知見を活かし、将来的には訪日外国人を含む不特定多数の利用客への対応や、他社線との連携なども視野に入れた、より汎用性の高いウォークスルーシステムの開発に期待したい。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「「Suica Renaissance」実現に向け上越新幹線で顔認証改札機の実証実験を行います～「ウォークスルー改札」実現に向けた取り組み～ | 東日本旅客鉄道株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001107.000017557.html, (参照 25-04-10).
2057
2. NEC. https://jpn.nec.com/

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